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維持管理面に配慮を/透過性堰堤の効果も指摘/公共事業評価監視委

2018/01/19 長野建設新聞

 県の公共事業評価案に対する県公共事業評価監視委員会の意見具申が17日、県庁で行われた。永藤壽宮委員長は、県の評価案をいずれも妥当と判断したことを伝えた上で、「新規評価では計画段階において施設の維持管理がしやすい構造の検討や他事業との連携、また、再評価ではまちづくりへの効果や既設道路沿線の環境改善にも配慮してほしい」などと要望。太田寛副知事は「いただいた意見を踏まえ、引き続きしっかりと事業を進めていきたい」と述べた。

 同委員会は本年度、再評価で長野市松代の長野真田線防災・安全交付金事業(道路)など4事業5カ所、新規評価で伊那市山寺~中央の環状北線街路事業など5事業9カ所、事後評価で8事業10カ所について審議した。

 永藤委員長は「事業の必要性や進捗、事業効果の発現などの観点から、いずれも県の評価案は妥当と判断した」と伝えた上で、審議上で出た主な意見を説明。

 再評価のうち長野市小松原の段ノ原沢通常砂防事業について、「現計画の堰堤は不透過型だが、流木対策を考えた場合、透過型の効果が高い。昨年5月に発生した飯山市の土石流では、透過型の堰堤が防災効果を発揮した。上流の状況を加味しつつ、構造を検討してほしい」と求めた。

 また新規評価では、長野市篠ノ井の岡田川河川事業について「砂防を含む上流事業との連携や維持管理しやすい構造の検討」、朝日村のあさひ地区県営中山間総合整備事業について「現在の農村景観は観光財産にもなり得ることから、他事業との連携を含め、これを活用した取り組みの検討」を求めた。

 意見具申を受け太田副知事は、これまでの丁寧な審議に礼を述べるとともに「飯山の土石流では透過型堰堤が被害を最小限にとどめたと思っている。また景観、観光面の配慮は、建設部もいろいろ考えているところであり、まさに的確なご指示をいただいた。最近は、施設そのものはもちろん、建設の過程もインフラ観光として供されている」などと話し、「いただいた意見を踏まえ、これからの公共事業に生かしていきたい」と述べた。

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