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千葉県県土整備部

千都と基本設計契約/県営繕課/県社会福祉センター整備/5階建て延べ約5400㎡/免震、複合基礎工法を

2018/03/07 日刊建設タイムズ

 県県土整備部営繕課は「県社会福祉センター建築工事基本設計」を今月5日付で千都建築設計事務所(千葉市美浜区真砂3―1―2)と契約した。契約金額は予定価格2835万2160円(消費税込み)に対し2829万6000円(同)。委託工期は本年12月14日。プロポーザルにより同社が最優秀提案者に選定され、契約手続きを進めていた。同課は契約の成立に伴い、同社の提案内容などを公表。建物規模は延べ約5400㎡を予定する。

 技術提案では、建物構成を5階建てとし、構造は免震構造を採用。基礎は、建設予定地が軟弱地盤と想定されるため、液状化対策として杭と地盤改良を併用した複合地盤杭基礎工法を採用。同工法を採用することで、杭1本当たりの水平抵抗を増加させ、杭径・杭本数を削減する。また、短辺方向の梁にPC工法を採用することで、無柱オフィス空間を実現する。

 設計コンセプトは、①福祉関係団体の活動が県民に広く親しまれるような明るく入りやすい施設②入居する福祉関係団体相互の連携が図りやすい、さまざまな仕掛けを持つ施設③大規模災害時にも災害対策拠点として業務が継続できる高水準な施設――とした。

 階構成は、1階がエントランス、執務室、備蓄倉庫、売店、喫茶店、2階が研修室、講師控室、3階が事務室、会議室、4階が事務室、社会福祉協議会、5階が事務室、屋上は屋上緑化、電気室、室外機置場。1階を開放エリア、2、3階を会議・研修エリア、4、5階を事務エリアとした。

 1階にはエントランスホール、福祉情報センター、福祉人材センター、ボランティア活動センター、災害用備蓄倉庫、みんなのラウンジ、県民活動コーナーなどを配置。またエントランスには、施設を訪れた人々にワンストップサービスが提供できるような総合受付を計画する。2階は大中小の研修室を配置。

 外装材はアースカラーを採用し、西側道路に面する外装には深い庇とルーバーを設け、強い日差しや西日を遮り快適な執務空間を実現する。大きな庇を設けることで、誰もが入りやすい地域に開かれた施設とする。

 ライフサイクルコストの削減では、屋上に太陽光発電パネル(一部太陽熱温水パネル)を設置し、使用量をモニター表示することでエネルギーを見える化。100年コンクリートを採用するとともに、内装材を木質化することでぬくもりのある空間を創出し、クールルーフの採用によりヒートアイランド現象を抑制する。

 建物を敷地の南側に寄せることで空き地を確保。駐車場は36台分を確保する。

 同事業は、社会福祉活動の推進や災害時のボランティア活動の拠点としての機能を強化するため、施設が老朽化し耐震性の不足する既存施設を県が主体となって移転改築する。移転場所は千葉市中央区千葉港4―5地先で、旧女性サポートセンター跡地。敷地面積は2646㎡。

 事業スケジュールは、新年度で基本設計、2019年度で実施設計を行い、20年度に着工。22年度までの3か年で建設し、22年度中の供用開始を目指す。新年度の県予算には基本設計、地質調査、土壌調査、旧女性サポートセンター一時保護所解体工事に総額4460万円を措置している。

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