国土交通省は12日に都内でi-Construction推進コンソーシアムの海外標準WG報告会を開いた。会員企業に対して3次元モデルなどの利活用に向けた海外の動向を紹介するとともに、国内における今後の取り組みの方向性について情報共有を図った。
まず、大阪大学大学院の矢吹信喜教授が「国際動向を踏まえた今後のCIM推進のあり方」について講演。日本の土木工学と建築学は欧米と違い、日本だけが世界と異なる分類をしており、土木事業で3次元モデルを活用する日本のCIMは、欧米では建築事業の各工程で3次元データを活用するBIMの中にCIMが含まれていると解説した。
また、イギリス、アメリカ、フィンランドなどの先進的な国の取り組み事例を紹介しながら、アジアでもBIMを義務化しているシンガポールを筆頭に、韓国や中国が積極的にBIMやCIMに取り組んでいる現状を示した。さらに、日本でも近い将来、CIM技術者が生まれていくとした上で、「きちんとしたIT教育を大学の土木でも行うべき」と指摘した。
他にも国交省が今後のCIMの取り組みを説明し、2018年度からCIMを大規模構造物の詳細設計で原則化する方針を示したほか、国際標準化活動と日本の課題について国際土木委員会の尾澤卓思事務局長が報告を行い、国内政策と国際標準化のマッチングが必要と話した。
【写真=CIMやBIMの国際動向などが紹介された】