記事

事業者
(社)埼玉建築設計監理協会

設監協の卒業設計コンクール/初代県知事賞に日大の外山さん

2018/04/19 埼玉建設新聞

 埼玉建築設計監理協会(田中芳樹会長)は15日、さいたま市浦和区内の埼玉会館で、建築系学生奨励事業により実施している第18回卒業設計コンクールのプレゼンテーション・公開審査を開催した。自由テーマの下、『創るを造る』を謳い、郷土の活性化を図り新たな起爆剤となるような夢あふれる作品を広く募集した。その結果、9大学から34作品がエントリー。新たに創設された県知事賞の初代受賞者は外山純輝さん(日本大学生産工学部建築工学科)の『拝啓〇〇様、-時に囲われたあなたの居場所-』に決まった。

 同コンクールは、新しい世紀の第一線で活躍が期待される建築系学生の能力向上・育成を図ることを目的に、次代を先取りした意欲ある作品を募集することで、若い学生たちの考える創造価値と熱意を奨励するために実施している。

 今回からは県知事賞を創設。田中会長は「長年の懸案だった賞を授与する運びとなりました。この賞を魔法の杖と表現させていただきます。奨励事業として若者に夢を与え、題材として取り上げられた市町村と大学、学生との新しい交流やコラボレーションのきっかけとなればと願っています」と、今後の展開を期待する。

 県知事賞は外山さんの『拝啓〇〇様、-時に囲われたあなたの居場所-』。準埼玉賞には桐淵玲央さん(ものつくり大学技能工芸学部建設学科)の『「再誕」-Memories of Main Shaft-』が選ばれた。

 埼玉建築設計監理協会賞は陰山愛さん(日本工業大学工学部生活環境デザイン学科)の『原風景のレシピ まち保育で生まれる新たな日常』が受賞。準埼玉建築設計監理協会賞は池田光さん(日本大学生産工学部建築工学科)の『19000㎡の慰霊碑-空に憧れた少年たち―』となった。

 特別審査員賞は杉本晴香さん(工学院大学建築学部建築デザイン学科)、吉田将一朗さん(東京理科大学工学部第二部建築学科)、宮川慎一朗さん(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科)の3作品。

 またJIA埼玉賞は陰山さん(ダブル受賞)、桐淵さんの2作品が受賞。埼玉県住宅供給公社賞は矢島俊紀さん(東京電機大学未来科学部建築学科)。さいたま住宅検査センター賞は井上博斗さん(日本工業大学工学部建築学科)、桐淵さん(トリプル受賞)に贈られた。

 このほか総合資格学院賞には黒澤光貴さん(東洋大学理工学部建築学科)、渡邊圭悟さん(芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科)の2作品が選ばれ、日建学院賞は加持翼さん(東洋大学理工学部建築学科)が受賞した。

 表彰式で審査委員長の衣袋洋一芝浦工業大学名誉教授は「今の時代、3.11が若者に染み着いていると感じます。私はゆとり世代を大いに評価しています。この世代には胸を張って欲しい。問題の発見とそれを解決する能力に長けている」と総評。作品のテーマを身近なところから選ぶ視点を時代の要請と捉え、成熟した社会への貢献に期待を込め、エールを送った。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら