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中田土木部長就任インタビュー「業界の担い手不足に対応」

2018/05/17 新潟建設新聞

 ことし4月に新潟県土木部長に就任した中田一男部長(59)がインタビューに応じ、就任の抱負や土木部施策の方向性などを語った。中田部長は「担い手不足に対応していかなければならない」と抱負を話し、中間年次を迎える建設産業活性化プランの考察を進めることを明らかにした。ICT活用工事や週休2日モデル工事の取り組みに「とにかくトライアルしていただきたい」とし官民一体の勉強会の開催を検討するほか、債務負担を活用した発注の平準化も継続していく考えだ。

 土木部長就任にあたり「県民の生活や社会活動を下支えしていくことが使命」と語る。安心安全を支える建設産業の振興には「特に担い手不足に対応していかなければならない」と意欲を見せ本年度に中間年次を迎える建設産業活性化プランの考察を進める考えだ。自身が小学生時代に関屋分水の工事の様子を見て土木を志したことから「土木の素晴らしさをいかに見せるかが大事」と話した。

 現在試行を進めるICT活用工事や週休2日モデル工事については、研修や勉強会の開催を検討しており、ICT活用工事では「官民一緒に問題点をつかみ勉強していくことでより理解も深まる」と受発注者が一体となった勉強会の開催を視野に入れているほか、週休2日の取り組みには「経営者に理解してもらうための研修の開催も検討している」と話す。また試行工事はいずれも手上げ方式であるため「とにかくトライアルをしていただきたい」とした。

 施工の平準化への取り組みには、9月補正予算、12月補正予算で2カ年国債、ゼロ県債を活用した取り組みを本年度も継続し、早期発注には「昨年度に多かった災害復旧工事を優先発注し、当初予算分に対しては降雪期前までに80%を目標とする」との方針を明かした。昨年7月の豪雨被害での河川災害復旧等関連緊急事業や災害関連事業を着実に進めていく。

 インフラの老朽化対策では本年度で橋梁や道路構造物の点検が一回りすることから「データを検証しながら延命化の対策をしていきたい」とし、本庁と各振興局との情報共有へデータベース化にも取り組む。

 

 略歴

 中田一男(なかだ・かずお)1959年4月6日生まれ59歳。新潟県出身。立命館大学理工学部土木工学科卒業後82年に新潟県入庁。道路建設課長、土木部技監などを歴任し、ことし4月から土木部長に就任。趣味は園芸や絵画、ギターと多彩。就任後に職員には「小さいことでも疑問を持ちおかしいと思ったらイノベーションしていくことで大きな変革につながる」と伝えた。

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