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博物館の方向性など審議/県生涯学習審議会/県立博物館・美術館の在り方検討/一元管理や県運営見直し

2018/05/28 日刊建設タイムズ

 県教育庁は23日、第12期千葉県生涯学習審議会(会長=重栖聡司・千葉大学教育学部教授)を開き、県立博物館・美術館の今後の在り方について審議した。本年3月に県教育長から諮問を受けたもので、今回は諮問後初めての開催。会議では前回の委員会での意見を踏まえ、県立博物館の現状と課題を整理。これからの県立博物館の方向性について「県立博物館の役割」と「県立博物館の機能集約等」の2項目で整理した。

 検討の方向性では、施設総量の適正化(縮減)も踏まえ、これまでの県立博物館事業や施設の在り方を見直す必要があるとして、「県立博物館の役割」で①全県下を俯瞰した資料収集・保管、調査・研究、教育普及等②県の魅力、県民の誇りとなるような文化・自然等の発信・紹介、「県立博物館の機能集約等」で①効率的かつ高度化した博物館資料の一元管理②現状の県運営の在り方の見直し――の各2項目を在り方検討の方向性として示した。

 今後の在り方の検討の視点では①博物館の調査・研究の成果の展示等を通した県民への速やかな還元②参加・体験型事業の増加への対応③地元自治体などとの連携・協同した地域振興・観光振興への貢献――などが求められるとした。

 博物館の課題では、県立博物館の収蔵資料が約113万点に上る中で、収蔵庫の収納率が92・1%に達し、収蔵庫が不足。調査・研究面では、市民参画の調査・研究体制の確立やホームページ等による公開が課題として挙がった。また、展示面では常設展示が進んでいない状況がある。

 これらの状況を踏まえ、会議では▽県立博物館の役割▽博物館機能の強化・集約▽博物館の在り方検討の方向性――の3項目について検討。

 博物館の役割では、2004年度に設定した役割に、委員の意見等を踏まえて「県の良さ・魅力を伝える、県民の郷土への愛着と誇りを育む」「全県域を対象とした資料の収集、展示、教育普及、情報発信を進め、市町村立博物館等を支援」の2項目を追加。

 機能の強化・集約では、資料の収集と保管として文化財害虫の管理システムの構築、博物館資料救済ネットワークとの連携、MLA連携の強化などが挙がり、調査・研究面では、デジタルミュージアム、アーカイブスの充実、展示面では、可変性が高く柔軟性のある展示施設への改修の必要性が指摘された。

 そのうえで、「県立博物館の役割」として①全県下を俯瞰した資料収集・保管、調査・研究、教育普及等を行う②県の魅力、県民の誇りとなるような文化・自然等の発信・紹介に努める――の2項目、また「県立博物館の機能集約等」として「効率的かつ高度化した博物館資料の一元管理を進める」「地域史と特定テーマを扱う博物館は、長期的な視点で、地元での活用を含め、現状の県運営の在り方を見直す」の2つの考え方がそれぞれ示された。

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