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山梨県峡東建設事務所

金運橋建設が本格化

2018/07/03 山梨建設新聞

 県峡東建設事務所は国道411号上萩原Ⅲ期バイパスの進捗状況を明らかにした。トンネルや橋梁など大型構造物の着工のめどが立ちその前後の道路改良にも着手。未着手はおおむね1カ所を残すのみとなった。本年度はすでに道路改良工が発注されたほか、今夏にも掘削が終わるトンネルの電気設備・舗装工事にも着手したい考えだ。

 甲州市と丹波山村などを結ぶ主要道路、国道411号が災害に強く利便性が高い道路へと生まれ変わる。Ⅲ期バイパスは延長1900m、幅員7mで計画。柳沢峠の急峻な地形での道路建設とあってトンネル2カ所、橋梁3カ所の大型構造物を使い新たなルートを構成する。2014年12月には先行して甲州市側の680m区間が供用を開始した。

 残る1220m区間にはトンネル・橋梁ともに1カ所ずつ整備する。また道路改良も1区間を残し各地で並行して進んでいる。トンネル工は昭和建設・植野興業・岩波建設JVが担当。今夏にもL162mの掘削が終わる見通しで、他の工事の進捗にもよるが「その後続けて電気設備工事と舗装工事を発注したい。予算は確保できている」(同事務所道路課)。舗装についてはトンネル内と、その隣りで道路改良を進めている廣川工業所の現場とを一括で実施するか検討中。トンネル付近については来年度中に全工事を完了させる見通しだ。

 橋梁は仮称だが金運橋と名付けられた。PC4径間連続ラーメン箱桁橋で橋長は168m、幅員は地覆部含め7・7~8・7m。桁下まで最大約23mの高さがある。下部は完成しており昨年度末に上部工を3つに分けて発注。だが橋中央部分のみ入札不調となったため6月に入り随契でオリエンタル白石・植野興業JVに依頼した。

 上部は現場打ち。各橋脚を中心に上部を左右へ徐々に伸ばす“やじろべえ工法"(張出架設工法)で施工する。施工者が決まるのが遅れた中央部以外は年度内の完成予定、中央部は来年5月の完成を目指す。

 丹波山村に最も近い最上部の道路改良とトンネル付近が完成すれば、先行してその区間の供用を開始する見込み。それにより最後の未整備区間への着手が可能となる。同事務所担当者はその区間について「急峻な場所のためたくさんの構造物が必要となるし経費もかかる」と話す。全線供用まではもう少し時間がかかりそうだ。


【早期完成が期待される上萩原Ⅲ期バイパス】

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