記事

事業者
山梨県峡東建設事務所

豪雨見据え対策急ぐ

2018/07/26 山梨建設新聞

 県峡東建設事務所は豪雨災害に備え平等川の拡幅工事を進めている。川幅を広げ流下能力を高めることで被害を未然に防ぐ。整備に関連する橋梁の架け替えも実施。各地で大きな被害が出ている豪雨災害に備え着々とハード対策を進める。

 笛吹市のほか甲州市や甲府市、中央市などを流れる平等川は富士川水系のひとつ。氾濫すれば大きな被害が想定されるため県では同川各地で河川整備を実施している。同事務所の管轄地域では現在、笛吹市春日居町内の整備が進む。2015~24年度までの10年で山沢橋-徳條大橋間、L700mを拡幅改修する計画。渇水期という限られた期間のなかで護岸工を進め、流下能力を確保するための橋梁架け替えなども実施する。護岸工の設計は八千代エンジニアリング(東京都台東区)が作成した。

 橋梁は2橋掛け替える予定。猛暑のなか現場では現在1橋目となる山沢橋の架け替えが進められている。場所は国道140号西関東連絡道路・鎮目ランプ近く。PCプレテンT桁橋で橋長は20・3m。風間興業(笛吹市)が施工を請け負い上下部工や旧橋撤去、架け替えに伴う護岸工などを行っている。設計はセントラルコンサルタント(東京都中央区)。昨年の9月ごろに着工し年度末完成を目指す。現場関係者は厳しい暑さは体にこたえるが工事は順調に進んでいるようすを話した。

 もう1橋は本木橋で来年度以降架け替えるが時期は未定。ある程度護岸工が進んだ後になりそうだ。新橋の構造は今後検討するが山沢橋と同様、橋長20m程度のPC橋が有力だという。

 右岸側に川幅を広げる計画のため、護岸工については事業効果が早く出るよう右岸側を優先的に実施している。本年度施工分はすでに発注され4月に友愛工業(笛吹市)と契約を結んだ。85m区間を整備する予定で渇水期となる11月以降に着工、年度内完成を目指す。五分の勾配でブロック積みなどを行う内容。現場は緩やかにカーブしているため、川の水があたる右岸側を早期に仕上げ洗掘を防ぐ狙いがある。

 来年度以降も右岸側を先行して整備し、その後対岸へと進める。ただ直線部分に入ってからは両岸を交互に完成させていく方針だ。

 同事務所河川砂防管理課の篠原純課長は「西日本の豪雨災害など各地で被害が出ているなか、少しでも被害を防げるよう改修を進めるのが私たちの責務。河川の断面を大きくするなど対策を進め安全を確保していきたい」と話している。


【写真=猛暑のなか橋梁の掛け替えが進む】


 

 










記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら