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建設業労働災害防止協会埼玉県支部

建災防県支部が第45回大会開催/効果的な対策を着実に

2018/09/18 埼玉建設新聞

 建設業労働災害防止協会埼玉県支部(島村健支部長)は11日、第45回埼玉県建設業労働災害防止大会―安全行動推進運動埼玉の集い―を埼玉会館で開催した。支部員など560人を超す参加者が詰め掛ける中、木塚欽也埼玉労働局長など来賓多数を招き、同運動への積極的な参加を呼び掛けリスクアセスメントの確実な実行を要請。労働災害の撲滅を誓い合った。また合同会社おもてなし創造カンパニーの矢部輝夫代表を招き記念講演を実施。過去に海外メディアが称賛した新幹線の清掃作業『7分の奇跡(セブン・ミニッツ・ミラクル)』を紹介。建設業界の安全衛生活動に結び付け取り組みの参考とした。

 島村支部長は「自然災害の復興工事、防災、減災のためのインフラ工事などにより工事量が高水準で推移することが見込まれます。現場管理者や技能労働者の不足、高齢化や過重労働による疲労、ストレスに起因する労働災害の増加が懸念されます。国の基幹産業に従事する方々が悲惨な災害に遭うことがないよう関係各位と連携し、災害の根絶に向けて効果的な防止対策を着実に実施していかなければなりません」とあいさつ。安心して働くことのできる安全で快適な職場環境づくりへ協力を求めた。

 来賓あいさつで木塚局長は「安全衛生水準のさらなる向上のため、安全の知識と事実を広めていただくようお願いします。埼玉第13次労働災害防止計画を推進していますが、建設業については2017年度と比較して死亡者数を50%以上減少させることを目標としています。そのためには墜落・転落災害の防止が不可欠です。はしご、脚立を作業床として使用せず、足場を組む、または高所作業車を使うなど防止措置が講じられた方法を検討してください」と対策の徹底をお願いした。

 このほか来賓には、西成秀幸県土整備部長の代理で田中勉建設管理課長、遊馬宏志県警察本部交通部長の代理で鈴木久生交通部参事官、星野博之埼玉県建設業協会長が招かれ、それぞれが災害ゼロに向けた安全管理の強化による改善を望む祝辞を述べた。

 大会ではまず安全衛生功労として事業場賞9社、個人賞10人、職長賞7人を表彰。受賞者を代表して柏木建設㈱の鈴木英二氏が謝辞を述べ、その後は参加者全員で安全の誓いを行った。

 休憩の後第2部に移り、埼玉労働局の塩野七重労働基準部健康安全課長が『埼玉第13次労働災害防止計画について』と題して安全講話を実施。被災者の年齢構成をみると人手不足の影響により、50歳以上の高年齢労働者の割合が近年顕著に高くなっている現状を報告。雇用面を意識した職場環境の整備の必要性などについて注意を促した。

 第3部の記念講演では㈱JR東日本テクノハートTESSEI専務取締役などを歴任してきた鉄道人としてのスペシャリストである矢部氏が『世界一の現場力~誇り・感動のある職場づくり~』をテーマに、新幹線の停車時間から乗降時間を除いた時間内に早く正確な清掃作業をこなし、セブン・ミニッツ・ミラクルを実現する現場スタッフのおもてなしのようすを伝えた。

 矢部氏は建設業における安全確保に通じる話しとして「鍵を握っているのは人。守る安全からチャレンジする安全への転換が必要で、アクティブな工夫で働く誇りと生きがいを創造することが大切。そのためにはしなやかな環境をつくるべき」と話し、新3Kとして感謝、感激、感動――を提唱した。

 安全衛生表彰受賞者は次のとおり。(敬称略)

 【事業場賞】

 ▽㈱カタヤマ▽㈱修和▽㈱丸電▽真下建設㈱▽坂戸防災㈱▽宇田建設㈱▽㈱田口土木▽門井建設㈱▽㈱岡田工務店

 【個人賞】

 ▽鈴木英二(柏木建設㈱)▽小林元(川口舗道㈱)▽島野正巳(㈱佐伯工務店)▽新藤秀行(新藤建設㈱)▽松原英機(㈱田中工業)▽山﨑健司(山﨑建設㈱)▽古谷勝(㈲古谷工務店)▽影山等(サイレキ建設工業㈱)▽強矢隆行(須田建設㈱)▽児嶋信康(前田建設工業㈱関東支店)

 【職長賞】

 ▽小笠原誠治(吉田工務店㈱)▽竹田光成(㈲友好設備)▽野口甚(川村建設㈱)▽葛西愼也(瑞伸建設工業㈱)▽溝田和己(㈱比留間重機)▽長谷部良平(㈱小林ビルト)▽霜田崇(霜田電気㈱)

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