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千葉県県土整備部

港湾計画改訂案を承認/県港湾課/港湾審千葉港部会を開催/ふ頭再編や岸壁増深・延伸など

2018/10/12 日刊建設タイムズ

 県県土整備部港湾課は10日、千葉市内のホテルポートプラザちばで千葉県地方港湾審議会千葉港部会(部会長=渡邊豊・東京海洋大学大学院教授)を開き、「千葉港港湾計画改訂案」を審議、承認した。これを受けて、来月中旬に開催が予定されている国交省の交通政策審議会港湾分科会に諮問。国の答申が出されるのを待って、計画書の内容を県報に登載し、改訂を決定する。順調なら年内には改訂作業を完了する見通し。計画の目標年次は2030年代前半とした。

 千葉港港湾計画についてはは、17年1月に策定した千葉港長期構想をもとに、昨年度から改訂作業に着手。これまでに4回の幹事部会と3回の専門部会を開催し、計画案をまとめた。

 河南正幸・県土整備部長はあいさつの中で「近年整備が進む圏央道、外環道といった高速道路ネットワークを的確にとらえ、港湾の物流エリア拡大や取扱貨物の増大につなげていく中で、港湾の整備を広域的かつ着実に進めていく必要がある」と述べた。

 計画では、コンテナ、完成自動車などの各種船舶の岸壁や荷捌き地の配置が混在し、非効率な荷役が発生していることから、非効率利用の解消と機能強化に向けたふ頭の再編を行うとともに、大型化する船舶に対応した岸壁の増深、延伸を盛り込んだ。また、コンテナ貨物、完成自動車の貨物量の増加に伴うヤード用地を確保し、大規模地震等による経済活動の影響を最小限にするため、幹線貨物輸送用の岸壁を位置付けた。

 個別施設計画では、外郭施設において港内の静穏度向上を図るため、JFE先端部に千葉中央防波堤400mを新設。千葉港内の放置艇を収容するため、千葉北部地区の泊地内に小型桟橋4基の新設を計画。また、千葉中央地区における交通の円滑化を図るとともに、港湾と背後地を結ぶための臨港道路として①千葉中央11号線②千葉中央2号線③千葉中央3号線④千葉中央7号線⑤出洲1号線――の5路線の新設を計画。臨港道路は、大規模地震発生の際に物資の緊急輸送や住民の避難などでも利用するため、大規模地震施設計画としても位置付ける。

 土地造成及び土地利用計画では、コンテナ貨物及び完成自動車の取扱貨物量の増加に対応するため、千葉中央地区の土地造成及び土地利用計画を変更。将来の取扱貨物量の増加に伴い、新たに千葉中央ふ頭と出洲ふ頭の間の船だまり部分約27・3haを造成。これに既設のふ頭用地などを加え、全体の用地面積を約107・7haとする。

 このほか、大規模地震対策として千葉中央地区に幹線貨物輸送用岸壁を計画し、▽千葉中央ふ頭H岸壁マイナス14m・延長330m▽同G岸壁マイナス12m・延長230m▽出洲ふ頭D岸壁マイナス9m・延長220mを新設する。

 改訂は2030年代前半を目標年次とし、▽グローバル化、地域間競争の時代の県内企業の発展を支える千葉港▽県民の生活と安心を支え、県民とともにある千葉港▽環境を守り、人々が海とふれあえる千葉港――の3項目を将来像に掲げた。そのうえで「物流・産業」「生活と安心」「環境・ふれあい」の3つの基本方針に基づき、事業を推進することとした。

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