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事前・再評価で各3件審議 県公共事業評価委員会

2018/10/13 山梨建設新聞

 県の第5回公共事業評価委員会が11日に開かれ、事前評価ならびに再評価事業の説明を受け、審議行った。この日諮られた事前評価・再評価は各3案件で、事業の妥当性について了承を得られた。狭あいな幅員や線形改良を進めている甲州市塩山の国道411号では、2本のトンネル整備により災害に強い道づくりを推進する計画が審議のテーブルに上げられている。

 同市から丹波山村へ抜ける国道411号は山間に沿って走るため幅員が狭く、カーブも多く見通しが悪い。これまで、2005年度から一之瀬高橋改築(L460m×W5・5(7)m)、09年度から大常木改築(L600m×W5・5(7)m)に着手し、災害に強い道路を確保するとともに生活圏中心都市へのアクセス向上を図ってきた。このほど一之瀬高橋改築の2期工事として、トンネルや橋梁の構造物による防災力アップの整備計画が事前評価の対象となっている。

 委員会に示された計画によると、甲州市塩山一之瀬高橋地籍内の整備延長は2600mで、甲州市側から見て、多摩川に沿って走る現道から南側に大きく回りこむように2号トンネル(L660m)が整備され、その先、北へ抜けて右にカーブを描き1号トンネル(L960m)を通す計画。トンネル部で車道2・75m×2、路肩0・5×2、標準部で車道2・75×2、路肩0・75×2を想定している。

 19年度から測量・設計や用地取得に着手し、23年度から2号トンネル、26年度から1号トンネルへ取り掛かるスケジュールを描いている。完成見込は29年度で、総事業費に約75億円を試算している。実施に向けては再度説明が行われる。

 ほか審議対象となった事前評価事業は、北杜市白州町横手~武川町柳澤における横手日野春停車場線の駒城橋架け替え、笛吹市春日居町下岩下・熊野堂の区画整理工などの2件。駒城橋は緊急道路整備改築事業、区画整理などは3工区(梅沢1、同2、日向山)に分けての畑地帯総合整備事業で推進する計画としている。

 駒城橋架け替えは、現橋の上流側に新たに整備する計画で、横手側から見ると右に迂回するかたちとなる。新橋は4径間連続非合成箱桁橋L167mを想定。総事業費に約13億円を見込み、19年度からの10カ年事業完了目指すもの。

 梅沢・日向山の畑総は、用水路(畑地かんがい3カ所)A7ha、農道(3路線)L780m、区画整理(3工区)13ha、鳥獣害防止施設(1カ所)L3000mの整備内容。19年度の着手、26年度の完成を見込み、試算する総事業費は約13億円を数える。

 事前評価案件の整備内容や再評価事業については次号に掲載。

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