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大子町池田橋~中内橋の1・6㎞を優先整備/右岸は護岸嵩上げ、左岸は築堤や河道掘削/久慈川の河川改修

2018/10/13 日本工業経済新聞(茨城版)

 県河川課は、大子町で久慈川の河川整備を進めている。池田橋から中内橋の約1・6㎞の区間を優先的に整備しており、右岸は護岸の嵩上げを、左岸は築堤や河道掘削を実施する。治水効果の早期発現や自然環境に配慮した河道掘削など、効果的な河川改修を段階的に行っていく。

 近年、記録的な集中豪雨により全国各地で河川が氾濫し、甚大な浸水被害が生じており、大子町でも2011年9月の台風により、矢田地区や池田地区などで70戸以上の家屋が浸水し、大きな被害が発生した。

 このため、市街地の浸水被害の軽減を図ることを目的として、15年度から町道の池田橋~国道118号の川山橋までの約2・5㎞の区間の河川改修を久慈川圏域河川整備計画に位置づけ、整備を進めている。

 このうち下流部の池田橋~中内橋までの約1・6㎞区間を優先的に進めており、右岸側は人家が連なっていることから既存の護岸の嵩上げを行っている。また、左岸側については、堤防の整備や河道の掘削を実施している。

 これまでに下流から約0・3㎞区間の護岸の嵩上げと約0・4㎞区間の河道の掘削が完了している。

 本年度の工事としては、すでに大子工務所が右岸の護岸延長約200mおよび左岸の築堤、河道掘削、護岸延長約100mを発注。

 9月議会で石井邦一議員(いばらき自民党)が久慈川の河川整備について問うと、伊藤敦史土木部長は「今年度は昨年度の国の補正予算も活用して、引き続き用地の取得に努めるとともに、用地がまとまって取得できた区間から順次工事を進めていく」と答弁した。

 町では住民が迅速に避難できるよう、県などと協力しながら時系列で防災行動を整理したタイムラインの整備を進めているところ。

 さらに、県と町が連携し、重要な水防箇所の協同点検を行うなど、水害リスク情報の共有を図っている。

 近年は気候変動等の影響により、大規模な洪水が発生することも想定されることから、河川整備のハード対策に加え、流域住民の避難を促すためのソフト対策にも積極的に取り組んでいく。

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