記事

事業者
(独)水資源機構

来年度から成田用水改築/水資源機構/10か年で事業費181億/機場6か所、水路6・8㎞等

2018/10/18 日刊建設タイムズ

 独立行政法人水資源機構は、来年度から「成田用水施設改築地区」に事業着手する予定で準備を進めている。事業期間は2019~28年度の10か年で、総事業費181億円を投入する計画。地区の対象地域は成田市、多古町、芝山町、横芝光町の4市町。受益面積は、水田1836ha、畑1404haを合わせた合計3240ha。農林水産省の国営土地改良事業等の事前評価では事業の必要性、効率性、有効性等が認められ、地区採択の必須条件を満たしているとの評価結果を得た。

 同事業は、県北部に位置する成田市、香取郡多古町、山武郡芝山町及び横芝光町の3240haの農業地帯において、農業用水の安定供給、農業水利施設の維持管理費用と労力の軽減を図るため、老朽化している施設の整備と一体的に耐震化の整備を実施する。

 主要な工事計画は▽取水工改修1か所▽揚水機場改修6か所▽幹線水路改修0・9㎞▽支線水路改修5・9㎞▽管理設備改修一式など。事業費は取水工1億1000万円、揚水機場改修74億9700万円、幹線水路改修54億1800万円、支線水路改修26億3700万円、管理設備改修24億3800万円。

 主な施設は、揚水機場が新川揚水機場、小泉揚水機場、野毛平加圧機場、多古加圧機場、芝山加圧機場、高田加圧機場。幹線水路は成田幹線、多古芝山幹線、二川幹線。支線水路は野毛平支線、多古支線、高田支線。水管橋等の改修は根木名川水管橋、尾羽根川水管橋、間倉水管橋、高谷川水管橋、高田1号・2号・木戸川水管橋で、ほかに多古調整水槽の新設とJR横断BOXカルバートなど。

 同地区の農業水利施設は成田用水事業(1973年度~80年度)により造成されたが、ポンプ設備や受変電設備は部材の欠損や故障、幹・支線水路ではパイプラインの破損による漏水事故等が発生し、農業用水の安定供給に支障をきたすとともに、維持管理に多大な費用と労力を要している。

 また、大規模地震により施設が損壊した場合、地域に甚大な被害を及ぼす恐れがある。このため同事業では、老朽化が進行している農業用水利施設の整備と耐震化のための整備を一体的に行うことで、農業用水の安定供給、農業水利施設の維持管理の費用と労力の軽減を図り、農業生産性の維持・向上及び農業経営の安定に資することとした。

 なお、事前評価による便益比は、総費用(現在価値化)453億5116万円に対し総便益額(同)586億8284万円で、総費用総便益比は1・29となり事業の効率性が認められた。

記事資料

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら