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千葉県農林水産部

基本構想案を了承/県水産振興審議会/水産総合研究センター機能強化/施設再編計画を策定へ

2018/10/19 日刊建設タイムズ

 県農林水産部水産課は、17日に開いた千葉県水産振興審議会(会長=坂本雅信・千葉県漁業協同組合連合会会長)に「千葉県水産総合研究センター機能強化に向けた基本構想案」を諮問、了承された。答申を待って、来月にも構想を決定する。構想決定後、早期に業務・施設ごとに必要機能を精査・検討。構想の実現に向けた研究施設の再編整備計画を策定し、効率的・戦略的な試験研究体制の構築に向けた取り組みを進める。

 構想案では、マネジメント機能の強化により、分野横断的なプロジェクト研究の積極的な推進や実用的な技術の開発に取り組むとともに、研究施設の再編整備などを図ることとした。

 具体的な取り組みに向けては、研究施設の再編整備等による効率的な研究体制の構築を進めるため、①試験研究分野ごとに業務を集約化②施設の集約化③最適な施設整備手法――などを検討。業務・施設ごとに必要機能の精査・検討を行い、研究施設の再編整備計画を策定する。

 具体的には、外房と東京湾の海域特性の違う2か所で研究開発及び生産を行っている海産魚類種苗生産について、研究開発の集約化、施設の役割の見直しを実施。生産規模拡大に伴い2か所で生産しているアワビ種苗生産については、生産施設の老朽化が進み、生産に支障が出ているため集約化。成長に応じて海水飼育、淡水飼育の2か所で生産を行っているアユ種苗生産については、人工海水による飼育技術の採用により淡水飼育施設での生産の一元化(一貫生産)を検討する。また、横断的なプロジェクト研究を推進するため、研究員間の意見や情報交換が可能なワンフロア型の執務室を設置するほか、試験研究でこれまで蓄積してきた貴重なデータを停電、塩害や津波から守るとともに集中して管理する方法を検討する。

 構想案では、今後の水産研究の取り組みとして▽生産力の強化やブランド化を推進する技術の開発▽水産資源の維持増大に関する技術の開発▽漁場環境変動に対応する技術の開発▽効率的・戦略的な試験研究体制の構築――の4項目を挙げた。

 このうち効率的・戦略的な試験研究体制の構築では、マネジメント機能の強化によるプロジェクト研究の積極的な推進や実用的な技術の開発、さらに研究施設の再編整備等による効率的な研究体制の構築を図ることとした。

 同センターの所在地(本所)は南房総市千倉町平磯2492地先。敷地面積は約2万1000㎡。主な施設は▽建物本館=RC造3階建て約2738㎡▽飼育棟=RC造平屋建て約432㎡▽作業棟=RC造平屋建て約420㎡▽倉庫=RC造平屋建て約329㎡▽開発研究棟=RC造平屋建て約391㎡▽種苗棟=S造スレート葺一部平屋一部2階建て約1131㎡▽管理棟=S造平屋建て約284㎡▽飼育池=コンクリート造約1695㎡▽開放型加工研究棟=RC造平屋一部2階建て約372㎡、など。

 同センターは本所のほか、銚子分室(銚子市)、東京湾漁業研究所(富津市)、内水面水産研究所(佐倉市)、種苗生産研究所(富津市)などで組織する。

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