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三富支所にコンビニ誘致検討 採算性が課題

2018/10/19 山梨建設新聞

 山梨市は市役所三富支所にコンビニの誘致を検討している。空きスペースを活用し住民の利便性向上や地域の活性化を図るのが狙い。昨年からコンビニ数社と具体的な話し合いを始めた。採算性が課題となるため今後運営方法などを模索する。市議会では深沢敏彦市議から関連質問が上がった。市は実現可能かどうかを含め年度内に方向性を固める方針だ。

 三富支所は正面入口を入ったところに窓口業務を行うカウンターや職員のデスクが並ぶ。RC造2階建てで、延床面積は約1000㎡。空きスペースは広く時々会議などの集まりに使っているほかは、2階はほぼ倉庫になっているという。建物は築30年以上経つが躯体はしっかりしているため、かねてから活用方法を考えていた。いくつかの案が挙がるなか、まずはコンビニ誘致の可能性を探ろうと業者に声を掛け、昨年から具体的な検討を始めた。

 コンビニ業者からは「一般的な経営形態での設置は無理」(市担当者)との回答があった。採算が取れるだけの客数が見込めないのが理由だという。三富支所は山梨市と埼玉県秩父市などを結ぶ国道140号の坂道に面した場所にある。近くに温泉旅館がある、のどかな地域だが交通量は少ない。また車で5分ほど下った場所には「デイリーヤマザキ」、さらに5分ほど行けば「ファミリーマート」があり、客を食い合うことになるため余計集客は難しいことが予想される。

 全国で5万店を超えるコンビニは社会インフラの一つとみる向きもある。全国では高齢者などの“買い物難民"の支援などを目的に官民が連携してコンビニ運営にあたるとともに、地元自治会や商店、郵便局などもその維持に手を貸すケースもある。

 市担当者は「現時点では誘致できるかどうか分からない。駐車場の確保など課題は多い。運営方法などを考え年度内には方向性をまとめたい」と話している。



【写真=三富支所を有効活用】

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