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千葉県香取市

10か年で20事業実施/香取市/歴史的風致維持向上計画で素案/重点区域に佐原・香取710ha

2018/10/23 日刊建設タイムズ

 香取市教育部は「香取市歴史的風致維持向上計画」の素案をまとめた。計画では、佐原地区・香取地区周辺の710haを重点区域に設定し、重点区域内の歴史的建造物の保存修理や周辺環境の整備などを実施する。計画期間は2019~28年度の10か年。来月にパブリックコメントを実施し、来年1月下旬に「歴史的まちづくり法」に基づき、国へ認定を申請。認定を受けて、来年度から事業に着手する。認定を受けると、社会資本整備総合交付金などの支援を受けられる。

 維持・向上に係る施策・事業では▽歴史的建造物や歴史的町並みの保存と活用▽歴史的建造物や歴史的町並みと調和する周辺環境の整備▽伝統的な祭礼行事の継承と記録▽歴史文化資産の研究と情報発信――の4つを柱に、三菱銀行佐原支店旧本館保存修理、電線地中化、公園整備、佐原駅周辺地区複合公共施設整備、小見川の町並み調査など20事業を予定する。

 歴史的風致は、「歴史上価値の高い建造物及びその周辺の市街地環境」と「歴史と伝統を反映した人々の営み、生活、活動」の2つの要素が一体となって形成した良好な市街地環境のことをいう。

 同計画で設定する歴史的風致は①佐原の町並みと山車行事に見る歴史的風致②伊能忠敬に見る歴史的風致③小見川の町並みと祇園祭に見る歴史的風致④香取神宮信仰と式年神幸祭に見る歴史的風致⑤側高神社ひげなで祭に見る歴史的風致⑥山倉大神鮭祭りに見る歴史的風致⑦十二座神楽に見る歴史的風致⑧獅子神楽に見る歴史的風致――の8件。

 重点区域には、「歴史的まちづくり法」の規定に基づく土地・区域に該当する「香取市佐原伝統的建造物群保存地区内の土地」「伊能忠敬旧宅」「香取神宮本殿・楼門」の3件が所在する佐原地区・香取地区周辺の710haを設定した。

 歴史的風致の維持向上のために予定する施策・事業は次の通り。

 ▽歴史的建造物や歴史的町並みの保存と活用=①三菱銀行佐原支店旧本館保存修理事業②香取市佐原伝統的建造物群保存地区保存整備事業③歴史的風致形成建造物等調査事業④歴史的建造物活用推進事業

 ▽歴史的建造物や歴史的町並みと調和する周辺環境の整備=①電線地中化事業②公園整備事業③複合公共施設整備事業

 ▽伝統的な祭礼行事の継承と記録=①山車保存整備事業②山車実測調査事業③山車蔵調査事業④指定無形民俗文化財保存育成事業⑤香取市里神楽事業⑥写真・映像資料調査事業⑦小見川の町並み調査事業

 ▽歴史文化資産の研究と情報発信=①国宝修理事業②文化財看板設置・修理事業③佐原香取学習パンフレット・ガイドマップ配布事業④香取市文化財地図作成・発信事業⑤いぶき市民カレッジ事業⑥日本遺産活用事業

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