北陸農政局が進めてきた国営かんがい排水事業「新川流域地区」の完工式が９日、新潟市内で催され、関係者約２００人が祝った。

　奥田透北陸農政局長は式辞で「今後とも施設が地域共有の財産として愛されることを祈念する」と述べ、関係者への感謝の言葉で結んだ。

　祝辞では緒方和之県農地部長が「県ではブランド力を高め地産他消を進めている。施設が完工を迎えたことはとても意義深い」と花角英世知事の言葉を代読。

　西蒲原地区広域土地改良事業推進協議会の濵田佐登之会長は「更新された施設を最大限活用して経営の合理化と災害防止に努めたい」と謝辞を披露した。

　同事業は新潟市、燕市、弥彦村にまたがる農地約１万９５００haの農業生産の維持向上と農業経営の安定化、農地保全を図るため、新川右岸排水機場、新川河口排水機場を改修する。

　主要工事は新川河口排水機場が排水機６台（可動羽根横軸軸流、口径４２００mm）、原動機６台、コンクリート水路部およびポンプ室補修、管理棟耐震補強、橋形クレーン補修。新川右岸排水機場が排水機５台（横軸斜流、口径１６５０mm）のほか、吸水槽、排水槽、樋門、樋管、除塵機、上屋一式。

　２００６年度から事業に着手し、事業費は２６６億円（18年８月時点）。