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新規に老朽橋梁の架け替えや納豆博物館など/いばらき自民党が19年度政策大綱まとめる/知事へ要望

2018/11/15 日本工業経済新聞(茨城版)

 いばらき自民党は2019年度の重要政策大綱をまとめ、14日に大井川和彦知事はじめ県執行部へ政策要望を行った。総項目数は昨年より29項目多い2598項目。新規は57項目で、海門橋などの老朽化した橋梁の架け替えや、茨城中央工業団地(笠間地区)への納豆博物館(仮称)の建設・運営、医師確保対策として医学部の新設・誘致などを盛り込んだ。一部修正は59項目となり、筑西幹線道路の全線を早期に結ぶことや、圏央道の4車線化の早期完成を国などへ働き掛けることなどを求めている。

 当日の会見で森田悦男政務調査会長は「さまざまな団体から寄せられた要望を精査して取りまとめ、早期に施策として反映すべきものを抽出した。大井川県政と軌を一にしながらも、二元代表制のもとで是々非々の立場を堅持しつつ、県勢発展に向けて全力を尽くす」と述べた。

 重要政策大綱のサブタイトルは「安心、いきいき、魅力いっぱいの『新しい茨城県』を目指して」。

 最重要政策項目は「新しい暮らしやすさ、安心・安全をつくる」「新しい産業・雇用をつくる」「新しい人材を育てる」「新しい夢・希望をつくる」をベースに、県庁改革に関する項目「新しい県政を支える財政基盤・県庁組織体制を創り、行政革命を進める」を含めた5本柱で構成。

 また、関東・東北豪雨の災害からの早期復旧を成し遂げるとともに、東日本大震災からの復興を加速させ、大規模災害に強い県土を目指す。

 茨城の発展を支えるインフラ整備では、圏央道の4車線化の早期完成、東関道水戸線の県内区間の全線開通および鹿嶋・神栖方面への延伸、新4号国道の6車線化、国道6号および50号の4車線化などを求めている。

 県北振興に向けては、道祖神峠(つくば市~笠間市)のトンネル化を実現し、大子町方面に向かう茨城縦貫幹線道路および茨城港・常陸那珂港区から大子町方面に向かう高規格道路の整備を明記。

 つくばエクスプレスの県内延伸に向けた取り組みの推進、東京直結鉄道(地下鉄8号線)の県西地域への延伸促進なども要望。

 新規分では、海門橋などの老朽化した橋梁について、計画的に架け替えに取り組むよう求めている。

 また、昨年に引き続き、道路・橋梁・トンネルの補修、道路の除草、白線の引き直し、河川の竹木の伐採、堆積土砂の除去などの維持補修も要望。

 中小企業の事業継承支援では、厳しい経営環境に直面している建設業のイメージアップを図るとともに、県発注工事について「ゼロ県債」(ゼロ債務負担行為)や繰越制度の活用、適正な工期設定、地域貢献に取り組む業者に対する支援、県内業者育成のための地元業者への優先発注を明記。

 また、清掃、植栽管理、消防設備保守点検等の庁舎等管理業務について、品質確保と適正な雇用を守る観点から、最低制限価格の適用案件の拡大を求めている。

 企業誘致については、畜産試験場跡地を県央部発展の起爆剤として活用するため、工場や倉庫などへの単純売却を否定し、大学や本社機能、サテライトオフィスなどの誘致を要望。

 新規では茨城中央工業団地のモデル画地に納豆博物館を建設し、本県特産品をアピールするよう求めている。同団地の進出企業の製品展示、地域農産物(クリ等)の直売も行うなど、県内版アンテナショップとしての活用を見込んでいる。

 医療関連では、医師確保対策を県政の最重要課題とし、医学部の新設・誘致等により抜本的な医師不足の解消を図るよう求めている。

 建設後30年が経過し、老朽化・狭あい化が進む県立中央病院について、災害拠点病院として免震構造への全面建て替えを要望。さらに、県立あすなろの郷についても、県立施設としての持つべき役割や機能、運営面の課題などの検討を行い、早期の建て替えを求めている。

 農業関連では、未整備地域における農地の基盤整備の着実な推進、生産性向上に向けたほ場の大区画化や畑地かんがいの整備、土地改良施設の修繕・更新対策の充実強化などを要望している。

 さらに、ひたちなか地区における国際展示場の建設や企業立地推進による国際港湾公園都市づくり、大洗港区の航路泊地の埋没浚渫の推進および大型客船に対応できるクルーズポートとしての整備なども盛り込んだ。

 このほか、重要政策項目において、造園工事を伴う公園整備等の公共事業について、造園業の発展に配慮した分離発注を検討するよう求めている。


 【写真=大井川知事に大綱を手渡した、会見で説明する森田政調会長】

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