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国土交通省常陸河川国道事務所,その他記事(公共)

判定区分Ⅳは7橋/17年度管理者別点検/道路施設の情報共有/県道路メンテ会議

2018/11/30 日本工業経済新聞(茨城版)

 県内の道路管理者で組織する茨城県道路メンテナンス会議(会長=八尋裕国土交通省常陸河川国道事務所長)の2018年度第2回会合が28日、水戸市の県水戸合同庁舎で開かれた。議事では、橋梁などの管理者別点検結果や本年度点検予定についての情報を共有。17年度の点検結果によると、橋梁で判定区分Ⅳ(緊急に措置を講ずべき状態)は、市町村で7橋あることが分かった。

 同会議は14年6月、急速に老朽化する道路施設を効果的かつ効率的に維持管理していくため、県内の全ての道路管理者が参画して設立された。

 冒頭、八尋会長は5年サイクルの定期点検について、本年度末をもって100%を達成する見通しであることに感謝し、「今後の課題は2つ。2巡目の点検を効率良く実施すること、そして点検結果に基づく修繕・補修を着実に進めること。『予算』『人』『技術』の3つの不足が顕在化する中、地方がそれぞれの創意工夫で解決していく必要がある。本日は皆さま方が日ごろ感じている問題点などについて、活発なご意見をいただきたい」とあいさつ。

 議事では定期点検の実施状況やメンテナンスの取組状況、点検および修繕の実施状況、自治体支援の取り組みなどについて情報を共有。

 橋梁の17年度の管理者別点検結果では、管理施設数1万4967橋に対し点検実施数は4954橋。

 判定区分別に見ると、健全を示すⅠが1340橋、予防保全段階のⅡが3369橋、早期措置段階のⅢが257橋、Ⅳが7橋。Ⅲの割合は建設経過年数が長くなるほど高くなる傾向にある。

 トンネルは69本のうち33本の点検を実施。その結果、Ⅱは17本、Ⅲは16本だった。

 また、道路附属物等(大型カルバート、横断歩道橋など)については、管理施設数646施設に対し232施設で点検を実施。内訳はⅠが26施設、Ⅱが183施設、Ⅲが23施設となっている。

 最優先で点検すべき橋梁のうち、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋の本年度点検予定は、国土交通省が9橋、高速道路会社が7橋、県が9橋。このほか、土浦市が15橋、笠間市が12橋、つくば市が9橋、那珂市が8橋などとなっている。

 歩道橋を含む跨線橋については、国土交通省が14橋、高速道路会社が5橋、県が21橋で、ほか鹿嶋市8橋、牛久市3橋。

 緊急輸送道路を構成する橋梁では、国土交通省が58橋、高速道路会社が35橋、県が220橋、県道路公社が4橋。また、水戸市とひたちなか市が4橋、牛久市が2橋。

 自治体支援の取り組みの1つである「地域一括発注」の状況も示された。本県では県技術開発公社が、希望する市町村の意向を受けて受託する取り組みが行われており、本年度実績(10月末現在)は11市5町で779橋。内訳は、つくば市100橋、常総市96橋、北茨城市90橋、土浦市81橋など。

 これまでの実績としては、15年度856橋(11市4町)、16年度1002橋(15市5町)、17年度1683橋(12市4町)となっている。

 このほか、不具合事例や新技術活用状況の推移などについての報告が行われた。


 【写真=八尋会長、会議の様子、表=2017年度管理者別点検結果】

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