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山梨県甲州市

新年度に松里小設計に着手 大規模改修を計画

2019/02/19 山梨建設新聞

 甲州市は新年度、松里小学校の大規模改修に向けた設計に着手する方針だ。学校施設の老朽化対策の一環で2020年度着工を目指す。当初予算案に経費を盛り込み新年度中に設計を完了させる方向。市は20年度以降、老朽化が進む学校施設の大規模改修を年数棟ずつ実施していく考え。

 松里小は同市塩山小屋敷にある恵林寺から南に約500mに位置。A棟・B棟・体育館などで構成され、このうち新年度はA棟(管理・教室棟)の改修設計を行う。RC造3階建てで延床面積は1585㎡。1967年建設と築50年以上経つ。市が策定した学校施設の長寿命化計画で同棟は、施設整備の優先順位が最も高く早期改善が求められる。

 市教委は「基本的には長寿命化計画に示した順番で改修を行っていく」との考えを示した。優先順位2位は菱山小A棟(勝沼町菱山)、3位は塩山中B棟(塩山下於曽)。菱山小は休校中の神金第二小・中に並び1963年建設と対象施設の中で最も古い。ただ本年度屋上防水工事を行い施設の健全度が上がったため、優先順位が変わる可能性もあるという。また5位に勝沼中A棟があるが同校は大和中との統廃合が検討されており、その動向により整備計画は変わる見込みだ。

 市は厳しい財政状況や今後の人口減少などを見据え、2046年度までの30年間で公共施設の保有量を現在の19万㎡から6万2000㎡(約3割)減らし12万8000㎡とする方針を示した。施設の一部を取り壊す「減築」も方策の一つだが、公共施設の総面積の多くを占める学校施設に他の施設の機能を持たせる「複合化」を大幅に進める必要が出てくる。

 塩山南小では20年度の12学教から45年度には6学級と、必要学級数が半分になるとの推計が同計画の中で示された。こうした各校の空きスペースを公民館や児童クラブ、保育所、図書館、倉庫などとして活用することで公共施設の全体量を減らす方向で検討が進んでいる。

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