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山梨県山梨市

一案に多目的広場 市役所跡地活用を検討

2019/04/02 山梨建設新聞

 山梨市は市役所跡地(同市小原西地内)の活用策を検討している。現在駐車場などに利用されていることを踏まえ多目的広場が一案に挙がっており今後調査・研究を進める。基本的に建築物は整備しない方針。市は注目度が高い中心地だけに計画策定にあたっては市議や市民らから広く意見を募る考えだ。

 敷地面積は約9700㎡で舗装されていない更地の状態。現在は近隣の市民体育館や勤労者福祉センター「夢わーく山梨」利用者のほか、花火大会などイベント時の駐車場などとして使われている。市はこうした現在の用途を踏まえ、さらに幅広く活用できる方策を検討している。市議会でも小野鈴枝議員から検討状況についての質問が出るなど同跡地の活用は注目度が高く、市は慎重に取り組む姿勢だ。

 今のところ挙がっているのは駐車場のほか多目的に利用できる広場。市民が集う憩いの場、大型バスを使う学校行事や旅行の集合場所、災害時の避難場所など、さまざまな用途が考えられる。「特に建物の整備は考えていない」(市政策秘書課)ため建築物は造っても休憩に使うあずまや程度。敷地の広さから、大きな施設を建てた場合十分な駐車場を確保することが難しいのが理由だという。近隣の施設を壊してまで敷地を広げることも考えていない。このため計画は「土木」中心になることが予想される。ただこうした内容はまだ一案に過ぎず、市はさらに調査を進め可能性を探っていく。

 広場案は将来的なまちづくりも考えてのこと。市都市計画課によると、同跡地前を東西に走る市道は現在、山梨消防署の先までしか整備されていないが、その先も都市計画決定されており将来的に延伸する。それによりこの道路が中央道とのアクセスなど広域的な役割を担う道路になる可能性がある。またリニア駅から環状・西関東両道路を経て市内に来訪する場合を考えても同跡地は利用価値が高い。このため後々新たな活用策が浮上したときに備え、整備がしやすい状態にしておくとの考えもある。


【写真=活用策が注目される山梨市役所跡地】

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