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千葉県松戸市

プロポーザル手続き開始/基本計画と必要面積算定/松戸市 新庁舎整備

2019/04/08 日刊建設タイムズ

 松戸市財産活用課は5日、新庁舎整備基本計画策定支援業務委託と、新庁舎必要面積算定業務委託の公募型プロポーザル手続きを開始した。いずれも今月15日に参加表明書を締め切り、同22日から5月10日まで企画提案書を受け付ける。基本計画策定支援業務は5月17日のヒアリングを経て同下旬に、必要面積算定業務は5月16日のヒアリングを経て同中旬に結果を通知する予定。新庁舎は、JR松戸駅東側の新拠点ゾーン内に整備が計画されており、検討中の新拠点ゾーン整備基本計画では、新庁舎の建設費を概算で180億円と試算している。

 基本計画策定支援業務の参加資格要件は、同市入札参加資格登録者で、過去10年間(2009~18年度)に、国または地方公共団体等(独立行政法人等を含む)の庁舎建設(床面積1万㎡以上)に係る同種業務(基本計画策定に関する業務)または類似業務(設計業務)の実績を有すること等。履行期間は契約締結日から20年12月31日まで。業務委託料の上限額(消費税を含む)は7040万円(19年度4620万円、20年度2420万円)。

 一方、必要面積算定業務の参加資格要件は、同市入札参加資格「物品」または「委託」に登録があり、14年4月以降に地方公共団体発注の同種の必要面積算定業務を元請として受託し、履行した実績を有すること等。同種の業務とは、庁舎新築または移転計画に伴う延べ床面積1万㎡以上のものを対象とし、仕様書に記載の内容をすべて含むものとする。なお、関係会社を元請とする実績は含まないものとする。履行期間は契約締結日から20年3月31日まで。業務委託料の上限額(消費税を含む)は2199万3000円。

 基本計画策定支援業務の企画提案のテーマは、「今後の松戸市に求められる新庁舎のあり方について」。同市の有する歴史や文化を踏まえ、庁舎の役割やあり方を整理し、今後の社会情勢の変化や技術革新の動向など将来を見据えた視点で提案を行う。

 業務内容は、①新庁舎建設基本計画策定業務②新庁舎建設検討委員会等の運営支援ならびに専門部会の運営支援③市民参加手法の提案及び実施支援④市民説明会・パブリックコメントの実施支援。

 「新庁舎建設基本計画策定業務」では、新庁舎の必要性及び検討経緯の確認、新庁舎の基本的な考え方の整理、庁舎の基本指標(将来人口予測、想定職員数、想定議員数)の設定、庁舎の機能についての検討、窓口や執行空間に関する事項の整理、建設計画に関する事項の整理、事業計画に関する事項の整理、運用計画に関する事項の整理などを行う。

 一方、必要面積算定業務の内容は、①執務室現況調査②新庁舎の要件整理・分析③庁内検討委員会等の運営支援。このうち「新庁舎の要件整理・分析」では、現況調査に基づく課題の整理や改善策の提示、専門的見地からの新庁舎必要面積の算定、執務室・窓口における新しい環境づくりに向けた基本方針の立案などを行う。

 市民にとって使いやすい窓口配置や、職員にとって効率的で働きやすい執務環境を実現するとともに、コンパクトな庁舎とすることで整備事業費の縮減を図るのが目的で、新庁舎整備基本計画に反映するための基礎資料とする。

 新拠点ゾーンは、松戸駅周辺で唯一、まとまった開発余力を持つ駅東側の地区。公務員宿舎(相模台住宅)跡地、松戸中央公園(都市計画決定面積2・1ha)、市道、法務局跡地、相模台公園(都市計画決定面積0・4ha)、それに一部聖徳学園用地及び個人地権者の土地を含む約7ha。市は土地区画整理事業による整備を検討している。

 これまでの検討では、既設の松戸中央公園の北側エリア(相模台住宅跡地)に図書館や美術ギャラリー、市民ホール等の教育・文化的な施設を配置することで賑わいを創出するとともに、松戸中央公園の南側エリア(法務局跡地、相模台公園)には老朽・狭あい化が課題となっている市庁舎等の業務機能を配置し、利便性を高めることを方向性の一つとして示している。

 12年度に山下設計へ委託して行った市役所庁舎基礎調査では、総務省の起債対象事業算定基準等をもとに、庁舎の必要面積を延べ約3万5400㎡としている。また、新拠点ゾーン整備基本計画は日建設計が担当。

 同市の現在の庁舎は、1959年に建設された本館(RC造地下1階地上3階建て、延べ3683㎡)、同69~70年に建設された新館(SRC造地下1階地上10階建て、延べ1万1894㎡)、それに別館(RC造地下2階地上4階建て、延べ3759㎡)、議会棟(SRC造地下1階地上4階建て、延べ3868㎡)に分散。一部、周辺の民間ビルも間借りしている。

老朽狭あい化が進む現在の庁舎

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