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向こう側には何がある?/優秀賞作品が中野市にお目見え/全建協連の仮囲いデザインコンテスト

2019/05/18 長野建設新聞

 全国建設業協同組合連合会(青柳剛会長)が2018年度に実施した学生による工事現場の仮囲いデザインアイデアコンテストで優秀賞を受賞した作品が、中野市内の現場で採用された。16日には関係者や地元の幼稚園児も参加し除幕式が行われ、現場を魅せる新たな試みの実現を祝った。

 作品が採用されたのは中野市の八十二銀行中野支店新築工事の現場。施工者は中野土建(同市、社長=藏谷伸一全建協連副会長)。

 式典で青柳会長は、コンテスト参加者や実用化に協力した事業主・工事関係者に謝意を表し、「建設業も変わっていきそうだ、楽しく働けそうだという分かりやすいメッセージが、きょうここから広がっていく」と、今後の展開に期待を寄せた。

 今回採用されたのは群馬日建工科専門学校「チーム・ナスパティ」の作品。動物の等身大のシルエットが特徴的な親しみやすいデザインで、メンバーの篠原清士郎さんは「子どもたちが建設に興味を持つきっかけになれば」と話した。

 コンテストの審査委員長を務めた日本建築学会の古谷誠章会長は「コンテストでは、現場と社会を結ぶインターフェース(接続装置)としての仮囲いの在り方を問うた。今回採用された作品は、単に現場と外の世界をつなぐだけでなく、中で何をやっているのだろうと感心を引き、気が付くと現場の中の対象を見ている。非常に戦略的な作品。しかも、子どもからお年寄り、さらに言えば言葉の分からない方々も含め直接的に働き掛ける訴求力を持っている」と評価した。

 そして「若々しい学生のアイデアは面白いが、出しただけでは社会にインパクトは伝わらない。それを真剣に汲み上げようとする大人がいて初めて成立する」と述べ、実用化につなげた全建協連の姿勢をたたえた。

 式典には国土交通省大臣官房の近藤修建設システム管理室長や建設業振興基金の佐々木基理事長など来賓も多数駆け付け、晴れの日を祝った。

 なお、全建協連は17年度にも学生を対象としたユニフォーム(作業着)デザインプロジェクトを実施するなど、魅力ある建設業の実現に向けて斬新な取り組みを行っている。

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