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茨城県那珂市

那珂市が道路・河川整備促進を要望/118号の4車線化/菅谷飯田線の県道昇格も求める

2019/07/17 日本工業経済新聞(茨城版)

 那珂市の先﨑光市長は10日に県土木部長室を訪れ、道路と河川の整備に関する要望活動を行った。国道118号の4車線化や常陸那珂港山方線の整備促進、都市計画道路菅谷飯田線の県道昇格による4車線化、県道静常陸大宮線の早期整備などを求めた。伊藤高県土木部長は要望を受けて「それぞれ重要な道路だと認識している。事業を円滑に進めるためには用地の取得が最も大切なので、その点について市の皆さまにはご協力をいただきたい」と述べた。

 当日は先﨑市長をはじめとする市職員と、遠藤実県議会議員が出席。先﨑市長が伊藤部長に要望書を手渡した。

 先﨑市長は「県北地域の発展には、玄関口である那珂市のインフラ整備が非常に重要であると考えている。皆さまにはぜひとも、ご指導とご支援をたまわりたい」と述べた。

 続いて市が要望事項を説明。今回の要望事項は◆国道118号の4車線による整備促進◆一般県道静常陸大宮線の早期整備◆主要地方道瓜連馬渡線(都市計画道路上菅谷下菅谷線)の整備促進◆一級河川大井川の改修事業の整備促進◆主要地方道常陸那珂港山方線(北部幹線)の整備促進◆主要地方道日立笠間線(都市計画道路平野杉本線)の早期整備◆都市計画道路菅谷飯田線の県道昇格による4車線での整備促進◆一般県道額田南郷田彦線堤バイパスの整備促進◆那珂市事業の交付金の予算確保について-。

 その後、県土木部が各事業の実施状況を説明。国道118号の4車線化は、玉川橋より北側の約1・6㎞区間を4車線化した。引き続き、玉川橋から南側の日立笠間線までを優先区間として整備を進めている。

 さらに日立笠間線から都市計画道路平野杉本線までの区間についても、市の協力の下で用地取得を進めている。

 本年度は静跨線橋の前後および静入口交差点改良工事に着手し、優先区間の早期4車線化を目指していく。

 県道静常陸大宮線は、静および下大賀地区から小中学校へ向かう子どもたち、JR水郡線の静駅を利用する高校生の通学路となっているが、幅員が狭く安全性が十分でないため早期整備が求められている。ことし4月より用地買収に着手したところで、今後も引き続き用地取得の推進に努めていく。

 瓜連馬渡線(都市計画道路上菅谷下菅谷線)は那珂市の中心市街地を南北に縦断する道路。2016年度より事業に着手し、18年度より用地買収を進めている。今後も引き続き用地の取得を推進し、早期完了を目指す。

 一級河川大井川の改修事業は、下流から約780m区間が整備済み。現在は繰越で120mの河道掘削工事を実施しており、本年度も180mの河道掘削工事を予定する。

 引き続き河道掘削や護岸整備などの河川改修を推進していく予定だが、課題となっている掘削土砂の処分先の確保については市の協力を求めた。

 常陸那珂港山方線(北部幹線)は、国道6号から常磐自動車道までの区間について、本年度に地域高規格道路補助調査として採択を受けた。そのため、国道6号から国道349号間について早期事業化できるよう、常磐自動車道との接続に関する国との協議や、最適ルートの検討などを進めていく。

 また国道349号から木島大橋までの区間については、17年度から交付金事業により整備を進めているところであり、ほ場整備の創設換地により道路用地を生み出すことから、県北農林事務所などと調整をしながら事業進捗を図っていく。

 額田地区については、本年度に事業説明会を実施したところ。今後は用地買収に取り掛かり、早期の歩道整備を目指す。

 日立笠間線(都市計画道路平野杉本線)は東日本大震災以降、12年度からの復興事業費を活用して整備を実施。18年度はJR水郡線を跨ぐ(仮称)瓜連跨線橋の上部工架設工事が完了した。

 現在は橋梁付属物工事などを進めているところで、今後は跨線橋前後の道路改良工事に着手。本年度の供用開始を目指して、工事を進めていく。

 都市計画道路菅谷飯田線の県道昇格による4車線での整備については、市道との機能分担や広域的な国県道のネットワーク形成において、県道として整備することの必要性などを総合的に検討。要望区間の整備効果もしっかりと認識しながら、市とともに整備のあり方を検討していく。

 一般県道額田南郷田彦線堤バイパスは、17年度に概略設計を実施。本年度から測量業務に着手する予定。

先﨑市長(中央)が伊藤部長に要望書を提出した.JPG 要望路線図

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