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プールは大規模改築/野球場は機能転換を図る/千葉公園再整備マスタープラン/千葉市

2019/08/27 日刊建設タイムズ

 千葉市は「千葉公園再整備マスタープラン」を策定し、26日公表した。すでに進行中の(仮称)千葉公園ドームや(仮称)千葉公園体育館の区域を含めて、千葉公園全体の将来像や整備の方向性を示すもので、野球場は機能を転換し、新たな賑わいを創出する民間施設の導入エリアとしての活用や芝生広場等の整備を予定。プールは同市で唯一の50m公認プールであることから、大規模な改築を行い機能を維持。さらに、中央図書館と千葉公園、モノレール千葉公園駅までバリアフリーでつなげるプロムナードを整備する。本年度の基本設計、2020年度の民活による賑わい施設等の提案募集及び実施設計を経て、21年度ごろから施設整備に着手したい考え。

 千葉公園(中央区弁天3丁目)の再整備対象エリアは、都市計画決定区域で約21ha、都市公園区域で約16ha。公園内には野球場や体育館、プール等のスポーツ施設のほか池や広場、散策路などが整備されている。

 このうち体育館については、日本写真判定が「250競輪」施設として整備する(仮称)千葉公園ドームとともに、旧千葉競輪場の敷地内に新体育館を建設する計画で、(仮称)千葉公園ドームは清水建設の施工で11月にも建築着工。新体育館は現在、市がINA新建築研究所に委託して実施設計を進めており、20~22年度で建設する。

 千葉公園が目指す将来像は、①緑と水辺に囲まれた心地よい公園(憩い)②一日、一年を通して賑わいや交流を生む公園(賑わい)③まちとつながる公園(地域の回遊性・連携)④みんながつくり育てる公園(管理運営)。

 「憩い」では、起伏のある地形を生かして眺望を楽しめるよう、東口の高台や荒木山から綿打池やオオガハスが見渡せるビューポイントを整備するほか、既存の自然を最大限活用し樹木環境の再生を図り、四季の彩りを演出。併せて休憩スペースの改善、綿打池の安全性と親水性の向上、大賀ハスの拠点施設(蓮華亭)の充実等を図る。

 「賑わい」では、老朽化が著しい野球場は機能を転換し、ラジオ体操などの日常的な利用や家族でのピクニック、野外シネマイベント・ジャズフェスなど、新たな賑わいを創出する多目的芝生広場等を整備。また、起伏に富んだ地形を生かした大型すべり台等の遊具や健康遊具、ウォーキング・ランニングコース、ストリートスポーツの場を整備するとともに、綿打池や木々のライトアップなどで夜も魅力的な公園を演出。

 プールは、野球場と同様老朽化が進んでいるものの、同市で唯一の50m公認プールであることから、大規模な改築を行い機能を維持。さらに既存の駐車場や新体育館の駐車場のほか、新たに公園駐車場を整備するとともに、古くなったトイレをバリアフリーで清潔なトイレに改築する。

 「地域の回遊性・連携」では、中央図書館と千葉公園、モノレール千葉公園駅までバリアフリーでつなげるエントランス及びアプローチを整備し、新たなプロムナードを形成。主なエントランスは樹木を適度に整理し、花で彩られた明るく開放的な空間に改善。また、避難場所として災害時に多くの避難者を受け入れられる広場や逃げ込みやすいルートを整備。歴史的資源として残る戦跡の保全・活用、図書館との連携(不要図書の頒布会や読書会の開催等)、園内道路の見直し(公園内の一般車両の通過交通を一部廃止)なども図る。

 「管理運営」では、パークセンターやカフェに民間のノウハウを活用するとともに、地域住民や公園利用者も含めた管理運営の仕組みづくりを行い、商店街や周辺商業施設、近隣学校、ボランティアなど多様な主体と連携・協働する。

 再整備マスタープランの策定については、八千代エンジニヤリングがコンサルタント業務を担当。

千葉公園再整備イメージ図

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