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山梨県富士川町

「新庁舎、華美なもの造る気ない」 志村富士川町長

2019/09/10 山梨建設新聞

 富士川町の志村学町長は先月の会見で新庁舎建設についての考えを述べた。6つの庁舎を集約することで新庁舎の規模は現在より25%ほど縮小する方向。現在基本設計の作成が進んでおり来年度には実施設計に移る見通し。国の支援が受けられる今のタイミングで建て替えを進め、町の負担を抑えたいとの考えを強調した。

 現在基本設計を作成しており、町議や区長、町民らから成る懇話会に原案を示したところ。「まだ、こういう部屋を造ってほしいとか、身障者からトイレをもう少し大きく作ってほしいとか意見が出ている」ため、流動的な部分があると説明。ただ基本的な造りとして3階建ての庁舎を考えており「12月の末までには基本設計の原案をまとめたいと考えている」。

 庁舎の規模については、「4700~4800㎡程度を考えている。現在の庁舎が約6300㎡だから25%ほど減ることになる」。6カ所ある庁舎を1つに集約することでトイレなど共用部分が減り全体の面積を抑えることができるという。年度内に基本設計をまとめる方針で、来年度からは実施設計に移る。

 建設地は現在の庁舎の東側になる見込み。ガソリンスタンドや民家がある敷地を買い取り用地にする。「仮に現在の庁舎を取り壊して跡地に建てる場合、仮設庁舎を造らなければならず建設費も3億円ほど掛かる。その経費を省くためこの庁舎を残しながら新しい庁舎を造る。引っ越しも1回で済む。庁舎の跡地は駐車場にする。今でも駐車場がいっぱいで、かつ狭いという意見もあるから、しっかりスペースを取っていきたい」。

 志村町長は庁舎建て替えのタイミングとして今がチャンスと訴える。「役場の建設費は通常であれば、すべて町のお金で賄わなければならない。ただ富士川町は増穂と鰍沢が合併しているため国の合併推進債を使える。総事業費の45%を国が見てくれるため町の持ち出しは半分程度で済む。この推進債が使える時期に建てなければ100%町で負担しなければならなくなる」。

 総事業費は約30億円。町内には庁舎に多額の費用を掛けるのに反対する声もある。「30億の庁舎に反対という意見を聞くが、庁舎自体にそんなにお金が掛かるわけではない。新たな土地取得と周辺整備を含めて30億を想定している。庁舎も今よりも小さくするが役場が機能する最低限の面積は確保しなければならない。中には人口減少のことを考え、もっと小さくすべきという意見もあるが、役場の業務には人口の多い少ないに関係なく、ある程度の規模は必要。無駄なものも華美なものも造る気はない」。

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