昭和町の生涯学習館建設は2020年度以降、あらためて計画づくりを進める見通しだ。町では同施設建設以外に小中学校の改修・増築、町役場の老朽化対策といった大型事業を控える。国の方針で既存の公共施設の保全計画を策定することもあり、全ての施設計画を並べた上で各事業の方向性を検討し直すことにした。
町は年度内に学校施設などの長期保全計画を策定する予定でパスコ(東京都目黒区)に業務委託した。年度内を納期にしており、今後の施設の維持管理、整備に掛かる概算事業費などを全て明確にする。
生涯学習館については、主な機能として公民館、図書館、文化ホールを盛り込む方向で検討を進めてきた。公民館は未耐震の中央公民館の代わりとなるもので800~900㎡、図書館は蔵書が許容量を超えているため現在の約2倍の1600㎡、文化ホールは客席数500程度を想定している。建設候補地は町総合体育館の南に広がる農地。概算事業費は約35億円を見込む。
町役場についても建設したのは「中央公民館と8~9年しか変わらない」(町教委)。耐震対策はしてあるものの老朽化は進み「エレベーターを付けてほしいとか、ワンストップの窓口が望ましいといった意見も出ている」。こうした状況を踏まえ近い将来建て替えるとなれば、例えば役場近くが候補地に挙がっている生涯学習館に役場機能を盛り込み、一体的に整備する方策も考えられる。
また塩澤町長は教育環境整備の一環で小中学校の1クラス25人学級を目指す。町教委によると、実現には常永小や押原中の教室を増やす必要があるが、現在の校舎の造りでは同じ階に1学年すべてのクラスを配置するのは難しく、校舎の増改築が必要になるという。
町はこうした公共施設の現状や近い将来必要となる整備内容、掛かる費用などを総合的に判断し、各事業についての方向性を固めていく考えだ。
【写真=生涯学習館候補地の周辺】