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県公共事業評価委、河川3事業の継続承認、思川、姿川、巴波川の改修

2019/10/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 今年度第2回県公共事業評価委員会(委員長・池田裕一宇都宮大学教授)が10日、県公館で開かれ、県土整備部所管の河川事業3件の再評価を審議した。案件は1級河川の思川(小山市黒本外)、姿川(宇都宮市城山)、巴波川(栃木市大町)。現計画での事業継続が妥当との意見書を提出した。

 思川、巴波川の事業は2010年度に採択。10年が経過するための再評価。姿川は2000年度の採択。前回の再評価から5年が経過し、2回目の再評価が行われた。

 思川は姿川合流点(小山市黒本)から雷電橋(栃木市都賀町家中)までの1万1400mが事業区間。流下能力不足で豪雨時に宅地や農地などの浸水被害が発生しており、掘削や築堤などによる河道断面の拡大を進めている。

 事業は6000m区間の整備が完了。残る区間の用地取得に時間がかかっているものの遊水地やダム、放水路の代替計画では現計画以上に用地取得が必要となる。整備によって浸水被害が解消されるため、現在の計画で事業期間を7年延長。用地取得や工事を推進し、26年度の事業完了を目指す。

 全体事業費は、労務単価上昇と消費税増税で2億5000万円増の18億5000万円(うち用地補償費2億8000万円)に変更。19年度末の進捗率は35%(用地補償費36%)。

 姿川の事業区間は主要地方道宇都宮鹿沼線の姿川橋(宇都宮市下荒針町)から宇都宮今市線の大谷橋上流(宇都宮市大谷町)までの4000m。思川と同様の浸水被害が発生しており、掘削や築堤、橋梁架け替えなどによって河道断面を拡大している。

 3513mの整備が完了しており、残る区間の用地取得や工事を進め23年度を目標に事業を完了させる。

 全体事業費は前回の再評価時点から5億3000万円増の35億9000万円(うち用地補償費12億5000万円)。労務単価や増税に加え、関東東北豪雨を踏まえて護岸を張芝から連結ブロックに見直したことや河床に岩が確認され、掘削工単価が増加したため変更した。19年度末の進捗率は93%(用地補償費94%)。

 巴波川は前原橋から1級河川上流端までの800mが事業区間。掘削、築堤、遊水地整備を実施する計画。市街地を流れ、下流の栃木市街地の浸水被害解消も見込まれるため事業の必要性が高く、継続する。

 用地買収に時間がかかっており事業期間を27年度まで3年間延長。全体事業費も2億2000万円増の25億6000万円に見直しする。進捗率は28%(用地補償費25%)。

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