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茨城県土木部

123号那珂川大橋架け替え/概略ルート案作成、地元説明へ

2019/12/12 日本工業経済新聞(茨城版)

 国道123号の那珂川大橋の架替事業の進捗について、10日の県議会一般質問で鈴木定幸議員(いばらき自民党)が質した。伊藤高土木部長は「地元市町や国土交通省と協議を重ね、新橋の架替位置を含む概略的なルート案を作成し、本年度中に地元説明会の開催を予定している。必要な調査、設計等に取り組み、国の補助事業の新規事業採択を要望していく」と答弁した。


 県によると、那珂川大橋は1949年(昭和24年)の建設。完成から70年が経過し、2018年10月に実施した定期点検の結果、「構造物の機能に支障が生じる可能性があり、早期に措置を講ずべき状態」と判断された。

 また那珂川大橋を含む国道123号の県道那須烏山御前山線から城里町御前山に至る区間については、123号の(仮)御前山バイパスと交差する県道常陸大宮御前山線や県道赤沢茂木線の取付方法、那珂川大橋近くの道の駅かつらへのアクセス方法などの課題があり、ルート検討に時間を要している。

 県では架け替えに向けて、地元の常陸大宮市や城里町、那珂川の管理者である国交省常陸河川国道事務所と協議を実施し、新橋の架替位置を含む概略的なルート案を作成。本年度中には地元説明会を開催し、案を示す。

 一般質問で鈴木議員は新しい那珂川大橋について、架橋位置の景観を踏まえた橋梁設計についても質した。

 伊藤土木部長は「将来にわたり新しい那珂川大橋が御前山の景観になじむよう、地元の意見も十分に聴きながら整備に取り組む」と答弁した。

 県によると、橋梁の設計では国の技術基準である道路橋示方書に基づき、架橋位置の制約条件を踏まえ、維持管理を含めた経済性、耐震性能に優れた構造、環境への調査などを総合的に比較検討し、最適な橋梁形式を選定する。

 那珂川大橋については、まずは那珂川の治水に与える影響を考慮する必要があり、河川区域内に設置する橋台、橋脚の位置や基数、河川内での施工方法等について、河川管理者である常陸河川国道事務所と協議を行っている。また架橋位置は御前山県立自然公園区域の特別区域にあり、県では自然環境への影響を把握する調査を行っている。

 一方、現在の那珂川大橋は御前山地域の景観に溶け込んだ赤いトラス橋で、地域のシンボルとして親しまれている。近年は豊かな自然環境を活用したイベントが行われるなど、県内外から多くの人が訪れる観光地になっている。

 そのため県では架け替えに当たり、地域の開発構想等との整合を図りながら、景観にも配慮することが重要と考えている。

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