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千葉県市川市

電通東日本を特定/民活含めて基本計画策定へ/市川市 海辺の利便施設

2019/12/20 日刊建設タイムズ

 市川市は、塩浜地区海辺の利便施設基本計画策定業務の公募型プロポーザルで、提案があった2者から電通東日本(千葉支社・千葉市美浜区中瀬2-6-1)を特定し、契約を結んだ。次席者はオリエンタルコンサルタンツ(千葉事務所)だった。臨海部の魅力向上を図るため、海を一望できる立地特性を生かした施設の整備に向け、民活を含めた整備方針や施設計画の検討を行う。履行期限は2020年3月19日。契約額は提案限度額(消費税を含む)と同じ1413万5000円だった。

 計画地は、沿岸を通る市道0103号線の突端に位置する同市漁業協同組合事務所のある塩浜1-17-3他で、敷地面積は1178・75㎡。電通東日本の提案は、エリア全体のまちづくりの方向性が優れていた点が特に評価された。

 工業専用地域であるため、その限定的な用途から景観形成や環境整備が進んでいないが、現在進められている土地区画整理事業や新漁港の整備との連続性を持たせる護岸沿いの遊歩道計画などに合わせ、漁業、市民生活、企業活動との調和を図りつつ、海を一望できる地域特性を生かした施設整備を検討する。

 業務内容は、①市場分析②建築条件等の整理③事業手法の検討④整備方針の検討⑤概算事業費の算定⑥関係機関協議資料の作成⑦事業者公募要領の作成⑧報告書作成等。

 市場分析では市場規模やニーズ、民間事業者の参画意向等を把握するために必要な調査及び分析を行うとともに、建築条件等の整理では基礎資料の収集・整理、建築条件の整理(都市計画法、建築基準法、消防法等の関係法令に基づく建築条件の整理)、現地踏査、関係者の意向調査(地元工業会、地元漁業協同組合等)を実施する。

 事業手法の検討では、民間事業者参入意向調査の結果も踏まえて、建設・運営手法の検討(民間活力導入可能性検討、管理運営条件の検討及び実施に向けた課題整理、事業手法の整理)を行う。

 整備方針の検討では、臨海部全体のまちづくり、景観形成の将来像、当該施設が臨海部の魅力向上に資するために目指すべき将来像などについて提案に基づき市と協議し、計画テーマ・コンセプトを設定。それを踏まえて活用用途・施設機能案を市と協議し3案程度検討する。

 この活用用途・施設機能に加えて利便性、防災性、防犯性も考慮し、配置計画や規模、施工性、経済性の比較検討を行い、計画テーマに沿った特色ある建築案を1案作成。併せて配置図、平面図、立面図、断面図、フロア図、イメージパースも作成する。

 イメージパースは、遊歩道整備等と一体となった景観に配慮し、構造及びデザインを検討の上、施設に焦点を当てたアングルのほか、道路及び遊歩道を含む臨海部の街並みとしてのイメージパースも作成。

 また、ライフラインや排水施設への接続に関する概略検討を行うとともに、関係法令への適合性を確認し、実現可能な計画案を作成する。建築計画案については想定される事業手法(従来手法、民間活用方式)及び必要な行政機関手続き等を踏まえて、事業の着手から完成までの工程計画を作成する。

 塩浜地区の護岸沿いの遊歩道計画(塩浜1-16~同2-11地先)については7月に、道路予備設計等業務をフジヤマに委託している。業務内容は、市の臨海部の魅力を高め、市民が愛着を持って住み続けたいと思うまちを創造するための、市道0103号線の改良(4車線)及び遊歩道整備、駐車場整備のための道路予備設計2・1kmと地質調査、測量。

海辺の利便施設計画地現況図

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