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パシコンで基本設計/県企業局水道部/栗山浄水場を給水場化/施設整備は23年度以降

2020/01/22 日刊建設タイムズ

 県企業局水道部は、ちば野菊の里浄水場に機能移転する栗山浄水場を給水場化する計画で、本年度に基本設計へ着手する。今月10日に「栗山浄水場給水場基本設計業務委託」の指名競争入札を開札し、パシフィックコンサルタンツが1億2000万円(消費税抜き)で落札した。予定価格は1億2304万円(同)だった。委託工期は540日間。本年度から2021年度までの3か年で基本設計をまとめる。施設整備については、機能移転後の23年度以降に実施する。

 栗山浄水場は1958年の稼働開始で、施設が老朽化していることから、近接するちば野菊の里浄水場(松戸市栗山478―1)に機能を移転する計画。機能移転後、新たに給水場としての稼働を目指す。

 同業務では、配水池やポンプ設備などの状況を調査し、施設再整備に向けた基本設計をまとめる。業務内容は既存資料の整理、現地調査、施設配置計画の策定、施工方法の検討など。

 施設の能力は日量18万6000tで計画。既存の主な施設は▽急速ろ過池22基(日量7560立方メートル×12基、同1万2600立方メートル×10基)▽配水池7基(2750立方メートル×2基、1830立方メートル×2基、5500立方メートル×1基、3600立方メートル×1基、1500立方メートル×1基)▽沈殿池8基(同2万4000立方メートル×4基、同4200立方メートル×4基)▽着水井――など。ポンプは送水ポンプ4台(φ360㎜・230kW、予備1台)、配水ポンプ8台(φ300㎜・225kW3台、φ250㎜・190kw3台、うち各予備1台)、洗浄ポンプ2台(φ360㎜・100立方メートル、うち予備1台)。ほかに管理本館、栗山給水塔などがある。給水先は松戸市、市川市、船橋市の一部。

 ちば野菊の里浄水場は、栗山浄水場の機能移転に伴い「ちば野菊の里浄水場(第2期)施設整備事業」を実施している。稼働から60年以上を経過し、施設の老朽化が著しい栗山浄水の機能を、同浄水場に移転することに合わせ、高度浄水処理を導入するとともに、近い将来発生が懸念される首都直下型地震にも耐え得る強靭な施設を整備する。

 同事業では2016年度から本体工事に着手した。これまでに高度浄水処理施設築造、特高受変電棟建築、急速ろ過池築造が完了。本年度は急速ろ過池や薬品沈殿池の機械設備に着工。来年度は、洗浄排水池機械・電気設備工事、薬品注入制御等工事などに着手する予定となっている。

 敷地面積は4・9haで、1期を合わせると9・1ha。施設能力は日量18万6000tで、1期と合わせると24万6000tとなる。総事業費は約446億円を見込む。実施設計は日水コンが担当。

 施設整備は▽安全な水の供給▽強靭な水道の構築▽緊急時対策の推進▽環境対策――を基本に進め、高度処理の導入のほか、危機管理対策の強化として開口部の覆蓋化、施設・設備の2系列化、2回線受電方式の採用、環境に配慮したクリーンエネルギーの導入などを進める。

給水場化する栗山浄水場

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