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千葉県八千代市

SDBで夏ごろ公告/基本設計素案まとまる/八千代市 新庁舎等建設

2020/02/05 日刊建設タイムズ

 八千代市は4日、新庁舎等建設基本設計素案に関するパブリックコメントの手続きを開始した。現在の敷地北側に新庁舎を建設し、新耐震基準を満たしていない本庁舎(旧館、新館)は新庁舎への引っ越し後に解体。新耐震基準を満たしている本庁舎別館及び第2別館は活用し、併せて倉庫棟など付属棟を建設する。新庁舎の想定規模は延べ約1万8000㎡。本年度内に基本設計をまとめ、スプリットデザインビルド(SDB)方式で、意匠に関する実施設計と総合調整を基本設計者の梓設計に随意契約で委託するとともに、設備・構造の実施設計と施工は夏ごろに総合評価一般競争入札の公告を行い、年内に一括して落札者を決定する。概算事業費は約107・2億円、そのうち新庁舎工事費は約91・1億円を見込む。

 新庁舎の建設場所は既存庁舎敷地内(大和田新田312-5)で、敷地面積は2万5018・26㎡(借地面積4459・13㎡含む)、都市計画用途地域は第2種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)。第2種高度地区(最高高さ20m)に指定されているが、本庁舎は適用除外。

 現庁舎を運用しながら、敷地北側に杭基礎(既成コンクリート杭)、S造(基礎免震構造)地上5階建て、純ラーメン架構、延べ約1万7925・92㎡で新庁舎を建設する。昇降機設備は北西エレベーター(定員15人)、北東エレベーター(定員同)、南東エレベーター(定員20人)の3基を計画している。

 昇降機設備について市は、エレベーター3基の設置で十分と考えているが、有識者や公募市民で構成する基本設計検討委員会の会議で、利便性の観点から1階と2階を結ぶエスカレーターの設置要望が出されたことから、今回のパブリックコメントで市民に意見を求め、それを参考に設置の有無を判断して実施設計に移る。

 このほか、新設する倉庫棟はS造(耐震構造)平屋建て、延べ約638・96㎡、公用車車庫はRC造(耐震構造)平屋建て、延べ約169・00㎡で計画。ただし、公用車車庫は、本庁舎別館の活用方法が決定し、現在別館にある公用車車庫の移転が必要な場合に整備する。また、第2別館は増築等を行い、上下水道局庁舎として活用する計画。

 新庁舎は、まちづくりの重要な軸となる新川大橋通りと、本庁舎や駐車場との連携に配慮し、2方向の軸に沿った「ハの字」型に配置。新川大通り及び市道庁舎・村上橋線の双方からアクセスが可能な車両動線を計画し、新庁舎中央に車寄せと主出入口を配置する。

 フロア構成は、来庁者の多い窓口部門は低層階に集約配置し、中層階には災害対策機能等や執務室中心の課、高層階には独立性の高い議場を配置。また、1階中央には窓口全体を見渡すことができる開放的なエントランス空間となる市民ホール(2階吹き抜け)を配置する。

 防災面では、基礎免震構造を採用するとともに、無天井化及びダクトが不要な床吹き出し空調により、設備や天井仕上げ材の落下の恐れのない計画とする。また、公共下水道が断絶した場合にも便所等の水廻りが使用できる緊急排水槽や、運転時間72時間分の燃料備蓄タンクも設置。太陽光発電、自然換気、自然採光なども利用可能な計画とする。

 事業者選定等に伴う庁舎整備事業支援アドバイザリー業務を八千代エンジニヤリングに委託しており、新庁舎は年内に実施設計及び工事の落札者を決定し、約1年間の実施設計を経て2021年度の着工、23年度秋ごろの完成、同年度内の供用開始を目指す。

 また、倉庫棟の建設と第2別館の改修・増築(上下水道局庁舎)は、20年度に設計を行い、倉庫棟は21年度、第2別館は21~22年度で工事を行う予定。

 現時点での概算事業費(第2別館工事費、現上下水道局庁舎解体撤去及び当該敷地整備工事費、備品購入費、引っ越し費、本館別館改修工事費を除く)は約107・2億円(消費税を含む)。内訳は新庁舎工事約91・1億円、倉庫工事約1・68億円、解体工事約4・29億円、新庁舎基本設計等委託約0・47億円、新庁舎実施設計・監理等約3・96億円、倉庫棟実施設計・監理等約0・08億円、解体設計等約0・15億円、民有地取得約5・47億円。

新庁舎等配置計画図

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