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千葉県農林水産部

海洋エンジで基礎調査/県水産総合研究C再編整備/勝浦などの種苗生産3施設/東京湾漁業研は基本設計等

2020/02/07 日刊建設タイムズ

 県農林水産部水産局は県水産総合研究センター再編整備事業として、新年度に東京湾漁業研究所の基本設計や種苗生産施設の基礎調査を実施する。このうち種苗生産施設の基礎調査は、4日の指名競争入札で海洋エンジニアリング(東京都台東区台東4―28―11)が3150万円(消費税抜き)で落札した。履行期限は2021年2月28日。現況調査や再編後の将来図の作成、概算事業費の算出などを行う。また東京湾漁業研究所は、県有建物長寿命化計画に基づき大規模改修を実施し、併せて施設の再編を検討する。

 種苗生産施設の基礎調査は▽種苗生産研究所勝浦生産開発室(勝浦市)▽種苗生産研究所富津生産開発室(富津市)▽水産振興公社白浜事業所(南房総市)――の3か所を対象に、各施設の現況を調査し、使用できるものとできないものを判別。また、コンクリートや配管などの劣化・老朽度を調査し、将来的な施設の再配置を検討し、再編後の将来予想図を作成。その上で、概算事業費を算出する。

 白浜事業所はアワビ・ヒラメ中間育成施設が対象となる。また勝浦生産開発室は、県有建物長寿命化計画1期に位置付けられているため、22年度までの整備着手が必要となる。

 勝浦生産開発室の主な施設は▽管理棟(RC造2階建て639㎡)▽マダイ・アユ棟(S造平屋建て1791㎡)▽ヒラメ棟(S造屋平屋建て2048㎡)▽稚魚養成棟(S造平屋建て413㎡)▽機械作業棟(S造平屋建て594㎡)など。富津生産開発室の主な施設は▽管理棟(RC造2階建て836・20㎡)▽魚類飼育棟(S造平屋建て1306・25㎡)▽親魚産卵ふ化飼育棟(S造平屋建て1155㎡)▽クロダイ・ガザミ棟(S造平屋建て1532・52㎡)▽飼料培養作業棟(SRC造平屋建て1358・07㎡)▽機械棟(RC造平屋建て283・45㎡)などとなっている。

 一方、東京湾漁業研究所(富津市小久保3091)は、県有建物長寿命化計画1期に基づき大規模改修を実施する。県の新年度予算には基本設計、測量調査、土壌汚染状況調査などに3923万3000円を措置。事業スケジュールは、21年度に耐震補強設計、22年度に実施設計を行い、23~24年度の2か年で工事を実施し、25年度の供用開始を目指す。

 基本設計では、残す建物と解体・改修等を実施する建物の判別を行い、施設のレイアウトなどを検討する。

 同研究所の主な施設は、本館(RC造平屋建て延べ306・50㎡)、研修館(RC造2階建て延べ458・57㎡)、生物実験棟(RC造平屋建て延べ210㎡)、貝類種苗研究棟(RC造平屋建て延べ169・60㎡)などがある。

 18年度にまとめた「千葉県水産総合研究センター施設の再編整備計画」では、老朽化が著しい本館は研究機能を研修館に移転し、移転後に廃止。また、研究の高度化に必要な先進的な精密機器類を設置するため、塩害の影響を受けにくいよう外部と遮断し、温度や湿度がコントロールできる研究・実験室を再配置。毒劇物を含む試薬等を同時に扱う研究・検査が安全で効率的に行えるよう、他の研究室との間を物理的に遮断・管理できる研究・実験室を再配置する計画としている。

種苗生産研究所勝浦生産開発室

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