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千葉公園体育館に着工/幕張に新設小と新病院を/千葉市20年度予算案 一般会計4636億円

2020/02/17 日刊建設タイムズ

 千葉市が14日明らかにした2020年度当初予算案によると、一般会計及び特別会計(14会計)、企業会計(3会計)を合わせた予算総額は、前年度比4・1%減の8748億9341万4000円。このうち一般会計の規模は、同0・6%増の4636億円。(仮称)千葉公園体育館整備事業で総額56億円の継続費を設定し、20~22年度で建設を進めるほか、幕張新都心の若葉住宅地区において新設小学校と新病院の建設を進めるとして、新規に新設小学校基本計画策定費1000万円を計上するとともに、病院事業会計で新病院基本計画策定及び基本設計費として限度額2億円の債務負担行為を設定。また、下水道事業会計では、南部浄化センター改築事業(自家発電設備外改築工事)で総額33億3080万円の継続費(20~21年度)を設定する。(2面に主な新規事業)

 一般会計以外の予算規模は、特別会計が前年度比12・3%減の3229億1954万1000円、企業会計(病院、下水道、水道)が同6・1%増の883億7387万3000円。

 一般会計歳出のうち普通建設事業費は、前年度比2・2%減の436億7703万8000円。内訳は、補助事業が同10・5%減の131億5762万5000円、単独事業が同1・8%増の305億1941万3000円。

 (仮称)千葉公園体育館は、INA新建築研究所(東京都文京区白山3-1-8)が設計を担当。基本設計段階での規模は、RC一部S造3階建て、建築面積4922㎡、延べ8203㎡。既存の千葉公園体育館(延べ約3700㎡)、千葉市武道館(延べ約1391㎡)、千葉市中央コミュニティセンター体育施設(延べ約3115㎡※プールを除く)の3施設の機能を集約する。

 (仮称)千葉公園体育館整備事業以外では、特別養護老人ホーム整備事業(20~21年度整備分)で総額7億3684万円、道路整備事業で総額4億円、大宮町第1団地解体事業で総額1億1000万円の継続費(いずれも20~21年度)を設定する。

 このうち特別養護老人ホーム整備事業では、19年度に選定した社会福祉法人煌徳会の(仮称)かなめ一倫荘(特養100床、ショートステイ20床)、社会福祉法人永和会の(仮称)御殿町(特養80床、ショートステイ20床)に補助する。

 新設小学校及び海浜病院に代わる新病院は、幕張新都心若葉住宅地区の公共公益施設用地(幕張総合高校隣接地)約5・3haを候補地として、建設に向けて基本計画の策定等を進める。今後、土地所有者である県との協議を行う。

 大型継続事業の新庁舎整備工事については、実施設計が完了するのを待って、20年度に新築工事に着手する。実施設計・施工一括のデザインビルドで大成・鵜沢JVが受注しており、23年度の供用開始に向けて建設を進める。基本設計は久米設計・隈研吾建築都市設計JVが担当。基本設計段階の規模は、S造(基礎免震)地上11階(低層棟は地上7階)建て、建築面積6776・44㎡、延べ4万9399・12㎡(容積対象4万7488・84㎡)。

 また、総合保健医療センターの再整備には7000万円を計上。大規模改修に伴い、同センター内の環境保健研究所を移転するとして基本設計や休日救急診療所一時移転の検討などを行う。本年度は、長大に基本計画の策定を委託している。

 このほか、下田最終処分場浸出処理施設の建て替えに向けてPFI導入可能性調査を実施するとして800万円を計上。地方卸売市場事業会計では、汚水管改修事業で総額2億円、青果棟屋根トラス改修で総額1億800万円、水産棟屋根トラス改修で総額1億200万円(いずれも20~21年度)の継続費を設定する。


千葉市20年度予算案新規事業


 《総務局》

 【市長公室】

 ▽地域日本語教育の推進=700万円。外国人市民に対する日本語教育の機会を確保するため、地域における日本語教育の現状を調査し、計画を策定する

 【危機管理】

 ▽避難所へのスポットエアコンの設置=1508万円。停電時でも使用可能なスポットエアコンをモデル的に設置。若葉区、緑区各1か所▽地域防災無線(携帯無線)の更新=1億3902万5000円。災害時の稼働性能及び通信安定性が高いMCA/IP無線機に更新

 【総務部】

 ▽副業・兼業による民間人材の活用=100万円。民間企業の優秀な人材を、副業・兼業の形態で市の施策に活用する

 《総合政策局》

 【総合政策部】

 ▽スマートシティの推進=793万9000円。AI・IoTなどの先端技術を活用した持続可能な都市経営の実現に向けて、千葉市の目指す方向性や具体的な取り組みを検討する

 《市民局》

 【市民自治推進部】

 ▽栄町立体駐車場のあり方検討=500万円。建物の老朽化や周辺環境の変化を踏まえ、今後の栄町立体駐車場のあり方を検討する基礎資料を作成するため、駐車需要等の調査を行う▽客引き対策=300万円。客引き行為などを禁止する条例の制定に向け、実態調査を行う▽市制100周年記念誌作成=641万6000円。7000部

 《保健福祉局》

 【高齢障害部】

 ▽社会福祉施設等非常用自家発電設備整備(2月補正対応)=4億5088万4000円。停電時の入所者の安全確保のため、社会福祉施の非常用自家発電設備設置に対し助成を行うほか、あんしんケアセンターに設置。高齢者施設47か所、障害者施設3か所、あんしんケアセンター30か所

 《こども未来局》

 【こども未来部】

 ▽乳児院小規模化=1億200万円。乳児院小規模グループケアに係る改修工事費用の一部を助成。1施設(20人×1グループ→5人×4グループ)▽児童養護施設一時保護専用施設整備=2940万円。児童養護施設における一時保護専用施設の整備費用の一部を助成。1施設(定員6人)▽保育の質に関する実態調査の実施及び有識者意見聴取=700万円。保育者及び施設に対する実態調査と関係者による検討会議を実施し、保育の質向上に向けた新たな施策展開を検討

 《環境局》

 【資源循環部】

 ▽災害時電気自動車急速充電設備整備(2月補正対応)=4800万円。各清掃工場に電気自動車急速充電設備を整備。新港清掃工場1基、北清掃工場1基

 《経済農政局》

 【経済部】

 ▽ちば共創都市圏広域連携=532万7000円。技術職・技能職の啓発冊子作成、企業マッチング支援▽短期集中型創業者支援=1500万円。外部メンターによる短期・集中的な経営支援などを行う▽新規事業創出支援=1200万円。専門スキルを有するプロ人材を中小企業へ派遣し、新商品や新サービスの事業化を支援する▽外国人観光客向け観光案内・有料ガイドツアー施設の設置(海浜幕張)=2500万円

 【農政部】

 ▽農業法人参入用地基礎調査=800万円。法人参入に適した農地を確保するため、候補地選定の基礎調査を行う▽森林等の安全対策=3090万円。緊急輸送道路や送配電施設など重要インフラに近接する森林や被害を受けた森林の整備に助成するとともに、道路遮断などの被害が発生している放置竹林駆除の実証実験を行う▽乳牛育成牧場跡地整備=2億8300万円。跡地で民間事業者が行う預託事業を含めた新たな観光拠点の施設整備などに対し助成する。既存施設解体費及び跡地整備費負担金(既存施設解体、井戸水ろ過装置及び滅菌装置整備)、施設整備費等補助

 《都市局》

 【局課(都市総務課)】

 ▽花見川利活用の官民連携手法検討調査=1600万円。花見川の魅力を生かしたまちづくりを進めるため、流域の公園・緑地と一体的に河川空間を利活用する官民連携手法を調査・検討する

 【都市部】

 ▽公共交通利用促進事業=250万円。バス事業者が実施するサイクル&ライドの環境改善について、費用の一部を助成する▽新千葉2・3地区第一種市街地再開発事業=2億9000万円。千葉駅西口に近接する当該地区の土地の高度利用を図るため、再開発組合が行う市街地再開発事業に対して、事業費の一部を助成する

 【建築部】

 ▽集合住宅非常用給水栓設置助成=300万円。停電時に断水する集合住宅に対し、設置費用の一部を助成。20件▽被災宅地擁壁改修新設補助=596万円。台風などで被災した、個人所有の擁壁改修及び新設工事に係る費用の一部を助成。4件▽がけ地近接等危険住宅移転助成=1555万5000円。危険ながけ地付近からの移転に係る費用の一部を助成。3件

 【公園緑地部】

 ▽次期「緑の基本計画」の策定=360万円。次期「緑の基本計画」策定に向け、市内の緑の分布状況を調査する▽公園緑地事務所の再編=2815万円。建物が老朽化した中央・稲毛及び若葉公園緑地事務所について、他の公園緑地事務所へ機能を移転し、公園サービスを継続する

 《消防局》

 【総務部・警防部・予防部】

 ▽訓練施設整備=1000万円。模擬火災訓練家屋(可動式)を製作する▽風水害対策充実=920万円。救助用資機材の整備。強化プラスチック製ボート6艇、救命胴衣30着、胴付安全靴112着、サーフェイスドライスーツ25着、検索棒58本

 《教育委員会事務局》

 【教育総務部】

 ▽新設小学校建設基本計画の策定=1000万円。住宅開発が進む幕張新都心若葉住宅地区における良好な教育環境の確保のため、新設小学校建設の検討を進め基本計画を策定する

 【学校教育部】

 ▽夜間中学設置に向けたニーズ調査=40万円。夜間中学設置に向けて、対象となる義務教育未終了の学齢超過者や、外国人等で日本語の学習を希望する方のニーズを調査する

 【生涯学習部】

 ▽科学館リニューアル=2700万円。開館から10年以上経過し、展示物の劣化及び陳腐化が進んでいるため、展示物リニューアルの設計を行う▽「千葉市史史料編近現代」第1巻の刊行=340万円▽地域情報サービス提供=280万円。地域情報をインターネット上で閲覧できるシステムを構築する▽図書館サービスポイントの設置=400万円。土気図書室を改修し、子どもたちが読書に親しむ場や、予約本の受け取り、返却サービスを提供する

千葉公園体育館完成イメージ

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