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国土交通省

【法定福利費】3次下請け以下は受取割合低く

2020/02/25 本社配信

 国土交通省が昨年11月から12月にかけて実施した社会保険加入や賃金および法定福利費の支払い状況に関する実態調査の結果、公共工事では全ての次数で法定福利費を内訳明示した見積書を提出した割合が昨年度よりも増加したことが分かった。一方、民間発注工事は1次・2次下請けでは提出割合が5割を超えたものの、3次下請け以降では依然として約4割にとどまった。また法定福利費の受け取り状況では、公共工事は1次・2次下請けで法定福利費を80%以上受け取れた割合が昨年度に比べて増加したが、3次下請け以降に限定すると、その割合は約6割だった。民間発注工事で法定福利費を80%以上受け取れた割合は1次・2次・3次下請け以降はいずれも約7~8割程度となっている。

 請負代金内訳書における法定福利費内訳明示の状況としては、公共工事は約6割まで増加したものの、民間工事では4割以下に。公共工事の発注者別では、国・都道府県・市区町村のいずれも割合は増加しているが、国や都道府県に比べて市区町村発注工事の割合が低く、5割以下にとどまった。

 一人親方に関する調査では、約30%の企業は専属的に従事する一人親方を抱えており、特に従業員9人以下の企業に限定すると、うち約45%の企業は社員よりも専属的な一人親方の方が多い現状にある。加えて、約26%の企業が直近5年で一人親方が増加していると回答したことから、国交省では「一人親方化が一定程度進行している」と見ている。

 なお今回の調査は、いずれも直近の一現場(公共・民間)を対象として回答を求めた。

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