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県減災対策協議会、水位計67、カメラ64カ所増設、浸水想定図は新たに56河川で作成

2020/03/17 日本工業経済新聞(栃木版)

 県減災対策協議会が16日、県庁北別館で開かれ、危機管理型水位計の増設や浸水リスク想定図の作成など昨年の東日本台風(台風19号)を踏まえた取り組みを了承した。危機管理型水位計は67カ所、簡易型河川監視カメラは64カ所を2カ年かけて増設し、20年度に水位計46カ所、監視カメラ34カ所を設置。浸水リスク想定図は20年度に27河川、21年度に29河川で作成。浸水想定図は4~5月に作成業務を発注する。

 県はこれまでに危機管理型水位計を60河川107カ所、簡易型河川監視カメラを26河川37カ所に設置。河川情報センターの「川の水位情報」サイトを通じ情報を提供している。東日本台風では未設置個所で溢水や越水による浸水被害が発生。円滑で迅速な避難行動のきっかけとなるよう水位計と監視カメラを増設する。

 設置個所は東日本台風や過去に浸水被害があった場所で市町からの要望を踏まえて選定。20年度は危機管理型水位計を栃木市の永野川3カ所、那須烏山市の荒川2カ所などに設置。簡易型河川監視カメラの主な設置個所では栃木市の永野川、鹿沼市の思川、那須烏山市の荒川、江川、壬生町の黒川に2カ所ずつ設置する。

 県は指定16河川の洪水浸水想定区域図を作成して公表。市町のハザードマップ作成の際などに活用されている。浸水リスク想定図は洪水浸水想定区域図よりも簡易な解析手法で浸水範囲を示すもの。宇都宮市の釜川など16河川については先行して作成している。

 東日本台風で浸水想定図などが未整備の河川で決壊や越水、溢水被害が発生したため浸水リスク想定図を作成する対象河川の再検討を行った。

 20年度に浸水リスク想定図の作成を予定する27河川は鹿沼市の荒井川、佐野市の秋山川や彦間川、大田原市の鹿島川、小山市の豊穂川など東日本台風で被害が発生した河川や市街地近郊を流れる河川。21年度は作成要望がある河川を作成する。

 4月にもLP測量や浸水リスク想定図作成を行う業務を委託。11~12月に説明会を行い、21年3月に27河川のリスク想定図を公表する。減災対策協議会では5月下旬に新たな3河川の洪水浸水想定区域図や16河川のリスク想定図の公表を予定している。

 協議会には市町、県、宇都宮地方気象台、国土交通省の各事務所長らが出席。県土整備部が所管するダム下流域の浸水想定図が公表されたほか、洪水情報・土砂災害警戒情報のプッシュ型配信などについての報告も行われた。

 ダム下流域の浸水想定図は中禅寺、三河沢、西荒川、東荒川、塩原、寺山、松田川の各ダムで浸水想定区域図がない区間などを対象に作成。想定し得る最大規模の降雨(1000年超に1回)と計画規模の降雨(100年に1回)でダムの下流域が氾濫した場合の浸水想定範囲や水深、浸水の継続時間水深、家屋が流失・倒壊する恐れがある範囲などを図面で提示。市町は浸水想定図を基にハザードマップの作成や修正を予定している。

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