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長野県,(社)長野県建設業協会

継続学習 20年度は加点せず/講習機会の制約踏まえ、委託は従来通り/総合評価

2020/03/18 長野建設新聞

 県は建設工事の総合評価落札方式において、2020年度は技術者の「継続学習」を評価項目に設定しないことを決めた。新型コロナウイルス感染症や台風19号災害対応などにより講習会を受講する機会が制約されている状況を踏まえた措置。ただし、委託業務については20年度も従来どおり加点評価を行う。

 この方針は16日の地域を支える建設業検討会議で明らかにされた。県建設業協会が、新型コロナの影響で各種講習会が中止されている状況を伝え「年間計画として2、3月の講習会で単位取得を予定していた者もいる。救済措置をお願いしたい」と要望したのに対し、「公平性の観点から、20年度に限り継続学習単位の加点評価は行わない」と回答。その上で「21年度には再開するので、20年度中の単位取得はしっかりと進めてほしい」と述べた。

 総合評価の実施に当たり必要な「学識者からの意見聴取」(=県総合評価技術委員会)を終え、継続学習を評価項目に設定している案件についても、4月以降に公告する場合は評価項目から外す。

 また会議後の取材で、委託業務については「業界団体を通じて実施に支障がないことを確認している」と述べた。新たに導入する補償コンサルタントCPDも含め、従来どおり評価項目に設定する。


■堰堤用骨材は規格緩和も

 会議では協会から他に5項目の要望が出された。このうち「砂防堰堤の生コン骨材の粒径(最大寸法)について、地域の状況に応じて40㎜も認めてほしい」との意見に対し県側は「80㎜が基本だが、各都道府県や県内においてもさまざまな状況があることを把握しており、見直しの必要性も含め検討する」と回答。続けて「3月11日に砂防課から各現地機関に対し、砂防工事に使用する生コンの取り扱いについて通知を出している。この中で、災害関連工事の集中により80㎜骨材の調達が困難な場合は40㎜の使用も認めるとしており、事例が生じた場合には監督員に相談してほしい」と述べた。

 今シーズンの小雪を教訓とした安定的な除雪体制の維持に関しては、協会が「シーズン前から除雪オペレータを確保しており、降雪量に関わらず固定費は掛かっている。他県の制度も参考にし、安定的に除雪体制が維持できる方策を検討してほしい」と要望。県は「議会の危機管理建設委員会でも意見をいただいており、しっかりと検討していく」と応じた。

 会議の冒頭、建設部の田下昌志建設技監は「新型コロナに起因する工事等の一時中止または工期の延長には柔軟に対応する。該当するものがあれば監督員に相談してほしい。また、20年度の予算は19年度補正分も含め大規模なものになっている。現場は忙しくなっており、連携し、意見交換しながら円滑に進むようお願いしたい」と述べた。

 協会の木下修会長は「新型コロナの経済的ダメージは大きい。われわれ建設業は、地域のために災害からの速やかな復興を果たすとともに、しっかりと利益を出し、地元の経済を支えていきたい」と話した。

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