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(社)埼玉県建設業協会

埼建協川越支部 関根支部長インタビュー

2020/03/19 埼玉建設新聞

 施工品質の維持向上は官民問わず、永遠のテーマと言える。昨年公表された2018年度県完成工事(19年7月2日付掲載)には、高得点を獲得した優秀企業が数多く名を連ねた。そこで、埼玉県建設業協会川越支部の関根勇治支部長をインタビューした。関根支部長は「担い手確保や後継者への事業承継が大きな課題。知恵を出し合いながら、業界を盛り上げていきたい」。そして「安全安心の埼玉県を目指し、魅力ある建設業にしていきたい」と抱負を語った。

--川越支部の技術力について

 関根 会員企業各社は技術力向上に努め、とりわけ、技術者の採用に力を入れていると思います。しかし、状況は厳しいものがあり「技術者が不足している」という話を支部内で聞きます。そういった中、工事発注者による表彰制度は、会員企業やその技術者にとって大きな励みとなり、受賞者はさらなる技術向上など、高いモチベーションを維持します。

 工事施工者表彰や現場代理人表彰を受賞するには高い技術で施工し良質な建設物を納めなければなりません。このことは会員各社の技術力向上に寄与していると思います。

--技術者確保に向けて

 関根 各企業は新卒者の採用にも力を入れ、大学や専門学校、高校などにアプローチしていると思います。数年前までは働き方改革が進んでおらず、技術社員が転職してしまうという話も聞いていますが、それではいけません。魅力ある建設業界にするため、各社が働き方改革に取り組んでいる最中です。

--働き方改革への取り組みは

 関根 国や県の公共事業では連休確保に向けた動きもあります。いずれ市町村にも広がっていくかもしれません。弊社では土曜日を休工とする「ハッピーサタデー」に取り組んでいます。しかし、天候不順などの影響により、計画どおりに進捗しない場合が多々あり、そのため工期末(年度末)は連休の取得が難しくなってしまいます。

 社内では、「連休が取得しやすい現場を担当したい」という意見も挙がり、職員配置の難しさもあります。又、民間工事では引き渡し日が決まっているので、土曜日を休むのが難しい状況です。しかしながら、担い手確保に向け取り組むべき課題だと認識しています。

--建設キャリアアップシステムについて

 関根 現時点では各社にお任せしている状況です。川越支部では研修会を開催して会員企業に周知していますが、導入に向けての企業負担も大きく、スーパーゼネコンのように登録できる企業もあれば、県内企業やその協力会社など厳しいという企業も多いと聞いています。技術者や技能者などの地位や待遇の向上、書類の簡素化につながるなどのプラスの面もありますが、普及するには少し時間がかかりそうです。

--技術力向上について 関根 技術は日々進歩しています。我々はそれに取り残されないよう、新技術・新工法を学び、常にチャレンジしていかなければなりません。先般相次いだ台風では越辺川が決壊し、協会員が24時間体制で復旧作業にあたりました。このような緊急災害復旧に対応できる技術も研さんしていかなければならないと思います。

--最後に一言お願いします

 関根 「安全安心」の埼玉県を目指し、魅力ある建設業にしていきたいです。建設業は将来的にも続いていく業界です。しかしながら、働き手がいなければ企業は成り立ちません。担い手確保や後継者への事業承継が大きな課題となりますが、支部全体で意見交換し、知恵を出し合いながら業界を盛り上げていきたいと思います。

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