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埼玉県さいたま市

さいたま市が大栄橋耐震化を6月議会で

2020/03/27 埼玉建設新聞

 さいたま市は東武鉄道大宮駅北側の跨線橋・大栄橋で、耐震補強を実施する。施工主体は東武鉄道。6月議会で本契約の議決を目指し、年度明け早期に同社と施行協定を仮締結する考え。初弾工となるP4橋脚耐震補強は、2020年度から3カ年にわたって取り掛かる。工事費7億円を同年度予算で確保。同社への負担金として拠出する。同社による工事発注は秋口になるみられる。またP4耐震補強後の流れはJR東日本大宮支社と協議中。商業都市の東西を結ぶ大動脈工事が動き出した。

 東武鉄道へ支払う負担金は7億円で、3カ年継続費を組んでいる。年割額が20年度3000万円、21年度3億5000万円、22年度3億2000万円。

 大栄橋は現行の耐震基準前に架設したため、耐震化が急務となっている。大宮駅北側に位置しており、東武鉄道とJRの線路を跨ぐなど、東西をつなぐ重要な橋として供用している。今回の工事は橋脚9基のうち、東武鉄道沿線に位置するP4橋脚1基を対象に施工する。

 工事はRC製逆T式のP4橋脚(高さ5・5m)3面にRCを巻きたてる計画。線路側には実施しない。整備後は幅12・8m(整備前12・3m)、奥行き2・45m(整備前2・2m)。併せてフーチングを確保するため、φ1200mmの場所打ち杭8本を回し打ちで26m埋め込む。また支承の補強工事なども予定している。

 大栄橋は橋長232・65m、幅員15・7m。下部工は橋脚9基。上部工が西側からPC床版(単純桁×3)+RCラーメン①(単純桁、連続桁)+ローゼ桁+RCラーメン②(連続桁)+PC床版(単純桁)で構成している。

 跨線部P4橋脚に関する設計は終えており、今後JR沿線に係るP5橋脚に取り掛かる。また残る橋脚も計画的に設計を進める方針。工事に関してはJR敷地をまたぐ西側架設部分をJRが主体となって行う。宮町付近に位置する東側部分は市が発注する方針。

 大栄橋の耐震補強検討業務とローゼ部の詳細設計は、JR東日本コンサルタンツ(品川区、?03-5435-7619)が担当。大宮駅構内における同橋耐震補強工事に関する施工計画作成については東武鉄道が手掛けた。また、P4橋脚の耐震設計は同社が設計企業に委託した。

 交通の要となる橋のため、早急な対応が必要。市ではできるだけ早く全工程を完了したい考え。JRなど関係機関との協議に時間を要するため、長期事業を見込んでいる。また、跨線部となるP4とP5に関して電車運行の妨げにならないよう、夜間工事が考えられるなど工期の長期化を視野に入れている。

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