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茨城県下妻市

S造4階延べ8494㎡想定/概算事業費は約50億円/基本設計案まとまる

2020/03/28 日本工業経済新聞(茨城版)

 下妻市の新庁舎等建設基本設計案がまとまった。設計案によると、新庁舎は基礎免震構造のS造4階建て、延べ8494㎡を想定し、1階東側に新保健センターを複合化する。また省エネ製品などを活用するネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)化を視野に入れている。概算事業費は約50億円を見込む。順調ならば6月補正予算で事業費を設定した上で、2020年度中に実施設計と建設工事を一括して発注したい考え。実施設計の策定後、21年の着工、23年春の竣工を目指す。

 建設予定地は本城町3-13ほかで、敷地面積は1万1317㎡。市民文化会館の南側で、現本庁舎の市道3312号線を挟んで東側に位置する。

 設計の基本理念には◇安心した暮らしを支える地域拠点となる庁舎◇安全な暮らしを提供する防災拠点となる庁舎◇財政負担を軽減する効率的でシンプルな庁舎-を掲げる。

 最高高さは20・5mとし、庁舎周囲にはアルミ製の庇を併設する予定。

 1階に市民窓口の部署を集約し、待合ホールや交流スペースなどを整備する。2~3階に執務室を確保するとともに、3階に市長室や災害対策室などを配置。4階に議場機能のほか、眺望デッキなどを設ける。屋上には太陽光発電設備や機械設備などを設置する。

 電気設備では防災拠点として電源の多重化、非常用発電機の設置などを行う。空調設備にはマルチユニット方式の電気式ヒートポンプシステムを採用する。

 駐車場は南側に庁舎用79台、北側に保健センター用104台を確保するほか、庁舎近くに車いす利用者や妊婦などに配慮したおもいやり駐車場4台を設ける。駐輪場は45台分を見込む。

 概算事業費の内訳は建設費約45億8000万円、外構工事費約2億3000万円、保健センター解体工事費約5000万円、備品購入費約1億4000万円となっている。

 このうち建設費は基本計画段階と比べて、工事計画の見直しやZEB化を念頭に置いた設備の充実などにより約5億8000万円を増額している。

 新庁舎は公共施設の老朽化や耐震性能の不足、庁舎機能の分散などを踏まえ、現在の本庁舎、千代川庁舎、保健センターを集約する施設として計画。建設には基本設計先行型デザインビルド方式を採用した。

 基本設計と事業者選定支援業務はパシフィックコンサルタンツ㈱茨城事務所(水戸市)が担当。履行期限は21年1月29日まで。

 また20年度は事業費1億7128万5000円を充て、予定地における既存施設解体や用地取得などを進めていく。

 なお今回の基本設計案では4月4日に市民説明会を予定していたが、新型コロナウイルスの拡大防止のため中止を決めた。意見募集については同16日まで行っている。


 【写真=イメージパース】

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