新潟県中越大震災「女たちの震災復興」を推進する会(樋熊憲子代表)が2日、長岡市を訪れ、震災15周年祈念事業の一環として刊行した報告書を磯田達伸市長に手渡した。
同会は発災5年目の2009年10月に発足。震災記憶の風化を阻止し、女性の視点から防災・減災、復興、男女共同参画による地域防災力の強化を考える組織として活動し、現在は市内の女性9人が所属する。
報告書は長岡市の防災事業における女性の取り組み事例、ワークショップで取りまとめた参加者の声、19年11月に招いた元千葉県知事堂本暁子さんによる講演の要点がまとめられている。
自身も巻頭にメッセージを寄せた磯田市長は「昨年の台風を踏まえ、自分の命は自分で守ることが軸となっている。女性の視点での防災力を強め、皆さんの思いを市の防災力向上に生かしたい」と語った。
小熊代表は報告書とともに、防災講座の継続、震災アーカイブの充実、小中高生への防災教育の強化を求める提案書を提出。「避難所では男女に関係なく、被災者同士が助け合った。子どもたちも物資を渡して感謝され、喜んでいた。支援しなければならない存在と見るのではなく、子どもの持っている力を引き出すことが重要」と話した。
この報告書は250部を作成。市内の各図書館、ウィルながおか図書コーナーなどで閲覧できる。
【写真=代表らが防災について語った】