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栃木県那須烏山市

那須烏山市、新庁舎候補2カ所の検討結果、中央公園 年度内に構想決定

2020/05/09 日本工業経済新聞(栃木版)

 那須烏山市は、新庁舎整備予定地の検討結果をまとめた。整備基本構想素案で示す「中央公園」(中央2丁目)と新たに検討を加えた那須烏山消防署周辺の「神長地区」を比較。「中央公園」がまちづくりの方向性や利便性、実現性などを含めて総合的に優れると評価した。今年度内に基本構想案のパブリックコメントを実施し、構想決定を目指す。構想決定後は基本計画策定費を計上した予算案と庁舎位置を変更する条例案を議会に提出する方針。

 神長地区は昨年10月から11月に市内12カ所で実施した基本構想素案の住民説明会で検討を求められた場所。市職員15人によるプロジェクトチームで評価を行った。

 評価は①まちづくり②利便性③安全性④実現性-に関する8項目。項目ごとに10点~2点の5段階で評価し、平均点を算出した。合計点は中央公園が59・4、神長地区が43・7。

 各項目の評価では神長地区は安全性のうち「災害対策本部機能」(建物耐震性・敷地地盤)で中央公園を0・5点上回ったものの「防災拠点としての安全性」(土砂災害、浸水想定区域等)で中央公園より劣る評価。

 そのほかの項目はすべて中央公園の評価が高く、特に総合計画や都市計画マスタープランをはじめとするまちづくりの方向性との整合、都市機能の集積といったコンパクトシティの実現に関する項目で中央公園の評価が神長地区を4点以上大きく上回った。

 また、中央公園周辺は上下水道や道路、電気、通信回線などのインフラが整備されていることに加え、大半が市有地で用地買収が不要のため実現性でも優位と評価された。

 市では中心市街地の空洞化抑制、老朽化した公共施設の機能集約・複合化を併せて図るため、小さくても機能的な市街地形成を図るコンパクトシティの実現を目指し、中央公園にまちづくりの拠点となる庁舎を整備していきたいとした。

 新庁舎の規模は延べ床面積約6000平方m、本体建設工事費は概算30億円を試算。事業方式は従来方式とDB(デザインビルド)一括発注方式を軸に検討する。基本構想素案に示された21~22年度に基本・実施設計、23年度着工の整備スケジュールは現時点で1年程度遅れる形となっている。

 新庁舎整備にあたっては烏山公民館などとの複合化を検討する。中央公園の面積は約1・9ha。市では基本計画策定へ移行する前段で、配置道路を含めた複合化に関する全体像、総事業費、長期的な財政計画などを検討する考え。

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