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栃木県足利市

足利市、市民会館別館棟を解体へ、今年度は候補地検討調査

2020/05/26 日本工業経済新聞(栃木版)

 県と市民会館土地建物約1・4haを現状のまま譲渡する基本合意を締結した足利市は、市有施設に残す方向だった別館棟(有楽町837)の解体撤去を決定した。受変電設備や火災報知器、管理事務所機能は本館棟と一体であり、本館棟解体に伴い機能が失われるため。県が事業主体の本館棟解体に並行する形で別館棟の解体工事が進むよう調整するという。市は今年度、新市民会館の建設候補地検討調査に着手する。

 市は第2期県立高校再編計画に基づく新校整備予定地に、市民会館用地を提供。市が譲渡する市民会館用地は、男女別学の足利女子高と足利高の統合による新校舎建設用地となる。譲渡方法は市有地と県有地の等価交換方式。今年度中に土地交換契約を締結の予定。

 等価交換用地は今後協議し、県は市民会館の解体撤去費を差し引いた額の敷地を軸に等価交換用地を選定する見通し。市は足利女高敷地と市民会館の間を東西方向に走る市道大橋市役所通り(0・25ha)を廃止し、敷地境界をなくすことを約束している。

 市民会館は1966年の供用開始以来、築55年近くが経過。耐震性不足、老朽化対策、設備機器の更新時期を迎え、建て替えを検討していた。莫大な事業費がかかるため、今年度予算で新市民会館建設候補地検討調査委託料330万円を措置している。

 大ホール棟(RC造地上4階地下1階建て)と会館棟(RC造2階建て)、1974年に増設した別館棟(RC造2階建て)の3棟で構成。総延べ床面積は約1万平方m。別館棟も経年劣化が進んでおり、21年7月に県に対する土地建物の引き渡し時に廃止する。

 足利女高には既存建物が6棟(本館、理科特別教室棟、第1体育館、第2体育館、特別教室棟、普通教室棟)がある。県内の普通高校では敷地が最も狭い約2・4ha。統合再編後の新校舎建設で校庭が圧迫され、学校行事に制約が生じる課題があった。

 県は22年度に両校を統合、統合当初は足利高校舎を使用。この間に約4haに拡張した足利女高敷地に新校舎を建設し、完成後に移転する。1学年6学級約240人の男女共学単位制普通高に再編する計画。総事業費は約70億円(解体費除く)と試算している。

 足利女高は市中心部に位置。JR足利駅からの距離は足利女高が約1・2㎞、足利高は約2・4㎞。足利女高から北西方向約1・2㎞地点に足利高が立地する。県は両校の立地利便性を比較検討した結果、足利女高敷地に新校舎を建設することが望ましいと判断した。

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