記事

事業者
栃木県下野市

下野市 自治医大駅周辺整備、6月補正で東口広場を整備、総工費3億

2020/06/03 日本工業経済新聞(栃木版)

 下野市は、自治医大駅周辺地区都市再生整備計画を拡大促進する。国の「都市構造再編集中支援事業」を導入し、今年度工事に駅東口広場整備とシェルター設置を追加する。必要額は4日に開会し、18日に閉会予定の市議会定例会に6月補正予算案を上程。継続費の設定や事業費の増額を図る。2カ年継続となる東口駅前広場の総工費は3億円を見込んでいる。

 計画区域は医大前1~4丁目、祇園1~2丁目の43・5haの範囲。JR自治医大駅前広場から自治医科大学付属病院までの市道をバリアフリー化。誰もが安全安心に移動できる交通環境を創出するのが目的。事業期間は2023年度まで。

 自治医大駅は市中央部に位置し、医療機関が集積。「グリーンタウンしもつけ」が良好な街並みを形成する。宅地開発から40年が経過し、公共施設が一斉に老朽化。快適で潤いがあり、人に優しい都市構造の拠点化を推進する。総事業費は5億4500万円。

 基本計画・実施設計は東亜サーベイ、シェルター設計は安藤設計(以上宇都宮市)が担当。国庫補助は事業費ベースで1億5000万円(補助率2分の1)。広場は4300平方m(市道7047号線、延長80m、歩道8m)。うちシェルター部分は430平方m。

 ロータリー部分の舗装工事は車道2048平方m、歩道1866平方m、薄層カラー舗装380平方m、視覚障害者誘導ブロック71平方m、エスコートゾーン3平方m。バス・タクシー案内板8カ所、車止め65基、横断防止柵延長70m、照明灯13基。

 管渠型側溝(スリットグレーチング)延長235m、プレキャストボックス延長28m、歩車道境界ブロック延長235m、中央植栽帯の歩車道境界ブロック延長100mを施工する。歩車道の段差を解消し、雨天時に駅利用者が濡れないようシェルターで覆う。

 当初予算では市道7002号線道路改良工事(足利銀行南河内支店交差点~一般県道下野二宮線間、延長380m、幅員12m)、市道7020号線道路舗装修繕工事(駅前広場~市道7002号線間、延長140m、幅員6m)の事業費7500万円を配分した。

 市道7002号線は車道舗装が傷み、歩道のインターロッキング舗装に凹凸がある。駅から病院へ向かう歩道に視覚障害者の点字ブロックが未整備。歩車道間がほぼフラットであり、歩行者が危険と背中合わせ、道路照明が薄暗いという課題を抱えている。

 車道の路肩を広げ、周辺の店舗や事務所に出入りする納入業者の荷卸しスペースを確保。歩道に搬入搬出車両が乗り上げ、歩道が波打つ原因を除去。車道は5mとし、センターラインは引かず車両スピードを抑える。両側に2・5mの歩道を配置する。

 市道7020号線はアスファルト舗装の傷みが激しい。L型側溝で雨水排水を処理しているものの、構造上の問題から民地と道路の間に段差が生じている。宅地への自家用車乗り入れや歩行者通行の際に支障を来しているのが実情。

 自治医大周辺地区では1980年、住宅都市整備公団(現都市再生機構)が土地区画整理事業を都市計画決定。85年には仮換地指定を開始し、94年に本換地を公告。緑豊かで良好な住環境を有す街並み形成を目指し、ニュータウンが誕生した。

 グリーンタウンしもつけ(182ha)の愛称で親しまれ、83年に自治医大駅が開業。88年に祇園小学校、94年に南河内第2中学校が開校した。都市構造上の経年劣化した路線や個所を洗い出し、様々な課題を検証の上で抜本的な対策を講じていく。

紙媒体での情報収集をご希望の方は
建設新聞を御覧ください。

建設新聞はこちら