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従来型手法が妥当/県総務部/PFIの導入検討結果/千葉リハビリセンターなど4事業

2020/06/10 日刊建設タイムズ

 県総務部資産経営課は「千葉県PPP/PFI手法活用ガイドライン」に基づき、2019年度に実施したPFI導入の検討結果を公表した。検討の対象となったのは▽千葉リハビリテーションセンター再整備事業▽県有施設再整備事業(夷隅合同庁舎)▽県立学校長寿命化対策事業(京葉工業高校・京葉高校・大多喜高校・流山南高校・市原特別支援学校・千葉盲学校)▽家畜保健衛生所再編事業▽富津警察署庁舎整備事業――の4事業で、いずれも従来型手法が妥当とした。

 千葉リハビリテーションセンターは、1981年の設置から38年が経過し、老朽化や狭あい化が進んでいることなどから再整備事業を実施する。再整備は、現在地(千葉市緑区誉田町1―45―2)で建て替える。昨年度でシステム環境研究所(東京事務所・東京都中央区八丁堀2―26―9)に委託し基本計画を策定した。本年度は基本設計の作成を予定している。建物規模はRC造6階建て延べ約3万7000㎡。

 検討結果では、民間資金を活用するメリットが小さく、PFI方式を導入する場合に竣工時期が遅れるなどスケジュール面で問題があるなどとして、従来型手法が妥当とした。

 従来方式による場合の事業スケジュールは▽2020~21年度基本設計▽21~22年度実施設計▽23年度建設工事▽26年度一部供用開始(Ⅰ期工事)▽30年度供用開始(Ⅱ期工事)――となる。

 県有施設再整備事業の夷隅合同庁舎は、耐震性能が低い(Is値0・28)ことから、移転の上、建て替える。整備場所は夷隅郡大多喜町横山地先。建物は庁舎と車庫・倉庫で構成し、庁舎がRC造2階建て延べ2200㎡、車庫・倉庫がS造2階建て延べ500㎡。建設・整備期間は22~23年度。24年度の供用開始を目指す。本年度は基本設計を予定している。

 検討結果では、定量的効果が見込めないなどとして、従来型手法が妥当とした。

 県立学校長寿命化対策事業の6校はいずれも、PFI適正がなく、運営委託ができず定性的効果も小さいとして、従来型手法が妥当とした。建設・整備期間はいずれも21~25年度。施設規模は▽京葉工業高校1万2456㎡(整備対象8棟の合計)▽京葉高校1万1430㎡(同8棟の合計)▽大多喜高校1万424㎡(同5棟の合計)▽流山南高校1万3138㎡(同4棟の合計)▽市原特別支援学校6325㎡(同7棟の合計)▽千葉盲学校9576㎡(同3棟の合計)。

 家畜保健衛生所再編事業は、老朽化している東部家畜保健衛生所・北部家畜保健衛生所・中央家畜保健衛生所を集約化し、機能強化を図る。整備予定場所は匝瑳市今泉地先。施設規模は本館1890㎡、焼却施設250㎡、その他(倉庫、車庫、小規模建物)785㎡。建設・整備期間は22~23年度。24年度の供用開始を目指す。

 検討結果では、委託できる範囲が限られ、定性的効果も著しく小さいことなどから、従来型手法が妥当とした。

 富津警察署庁舎整備事業は、施設の老朽化とともに県のハザードマップにおいて2m以上の津波浸水が予想されることなどから再整備する。

 整備予定場所は富津市佐貫112番地先。建物は庁舎棟と車庫棟で構成。庁舎棟はRC造4階建て延べ2614・17㎡、車庫棟・倉庫棟はRC造2階建て延べ623・06㎡。建設・整備期間は22~24年度で、24年度内の供用開始を予定。

 なお、本年度は基本設計を実施する。今月2日付で簡易公募型指名競争入札を公告。7月15日に開札となる。

 検討結果は、定量的効果が2・7%で、定性的効果も著しく小さいとして、従来型手法を妥当とした。

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