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栃木県那珂川町

那珂川町 橋梁長寿命化修繕計画案、20~44年度は年間1.1億、対象222橋

2020/06/11 日本工業経済新聞(栃木版)

 那珂川町は、橋梁長寿命化修繕計画案をまとめた。対象橋梁は222橋(橋長2m以上)。維持管理をこれまでの事後保全型から予防保全型に転換。全橋梁が供用可能な状態を維持するために必要な年間予算を2020~44年度は1億1000万円、45~69年度は7000万円に設定した。10年間の短期修繕計画には那珂川の富谷橋、八溝大橋など各橋梁の補修内容を示した。

 今後50年間の維持管理費は事後保全型の場合約195億円。定期的な点検で健全度を把握して行う予防保全型の維持管理費は約44億円。約151億円のコスト縮減を見込んだ。

 町が管理する橋梁は架設後50年が経過するものが76橋(34%)。10年後は126橋(57%)、20年後は145橋(65%)と老朽化が急速に進行。大規模修繕や更新の費用が年々増加し、道路ネットワークの機能低下が懸念される。

 このため修繕計画に基づく効果的、効率的な補修を実施。橋梁の長寿命化と維持費用の縮減、財政支出の平準化を図るとともに、道路ネットワークの安全性や信頼性を確保する。

 町内の橋梁は橋長5m未満が97橋(44%)と多く、50m以上は13橋(6%)。那珂川に300m級が架設されており、4径間以上は5橋(2%)、3径間は5橋(2%)、2径間は13橋(6%)。1径間が199橋と9割を占めている。短い橋梁はRC橋や溝橋、長い橋梁は鋼橋が多い。

 10年間の短期修繕計画では各年度の事業費を1億480万円~1億999万円の範囲に設定。

 20年度は富谷橋(橋長300m)、ゆりがね橋(104m)、藤沢橋(61m)、板山橋(34m)、御前岩橋(33m)、阿津ヶ平橋(23m)、細田橋(23m)、向桑子橋(22m)、馬坂橋(19m)、前山橋(18m)、仲平橋(18m)、薬利新橋(15m)、関上橋(16m)、荒屋橋(12m)、所1号橋(12m)、石倉線1号橋(11m)、所4号橋(10m)、所6号橋(8m)、泉橋(7m)、深沢橋(5m)を計画に位置付け。

 補修内容は主桁の塗装や表面被覆、断面修復、床版の防水工やひび割れ注入、下部工の表面被覆と断面修復。前山橋は今年度に点検を行うとした。

 主な橋梁では富谷橋は主桁の3種ケレンと塗装、当て板補強、床版の防水工、ひび割れ注入を29年度まで、武茂川のゆりがね橋は床版の防水工と上面増厚、下部工の表面被覆、ひび割れ注入、断面修復を29年度まで継続的に実施する計画。

 藤沢橋は床版の防水工やひび割れ注入、下部工の表面被覆と断面修復、薬利新橋は支承の取り替えを実施。

 このほか21年度からは八溝大橋(383m)、箒川の浄法寺橋(218m)も継続的な修繕を計画。八溝大橋は床版の防水工と上面増厚、浄法寺橋は主桁の表面被覆やひび割れ注入、断面修復を行う計画とした。

 高欄や舗装、伸縮継手などの橋梁付属物については修繕計画に含まれていないため、道路パトロールや定期点検を踏まえて必要な補修を実施。高欄や防護柵が現行基準を満たしていない場合は補修設計時に更新を検討する。計画案は30日までパブリックコメントを実施。来月には決定する予定。

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