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【社会保険加入】CCUS活用し確認徹底を原則化/今夏にガイドライン改定

2020/06/16 本社配信

 国土交通省は15日、建設業関係団体や行政関係機関などで構成する第4回建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会を開き、社会保険加入等の今後の対応方策などを示した。改正建設業法施行により10月から社会保険加入が建設業許可・更新の要件になるほか、作業員名簿の作成・備付が義務化され、施工体制台帳の書類の一つになることを契機に建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用した労働者単位での社会保険加入確認の徹底を図る。社会保険加入に関する下請指導ガイドラインを改定し、CCUSに登録された真正性の高い情報を活用して効果的に加入の確認・指導を行うことを原則とする。

 またCCUSの情報を活用する場合、社会保険の加入証明書類の添付は不要だが、書面による加入確認を行う場合は加入証明書類(写し)などの確認が必要となることを明確化する。工事着手時に加えて、工事の進行に伴い下請け企業や作業員に追加・変更があっても、CCUSを活用することにより、データ作成や現場管理を効率化することが可能になる。

 ガイドラインの主な改定内容では、元請け企業は下請け企業に対し、社会保険の標準報酬決定通知書等の関係書類のコピーを提示させるなど、真正性の確保に向けた措置を徹底する。ただしCCUSの登録情報を活用し、同システムの閲覧画面等で作業員名簿から加入状況を確認する場合は、関係書類のコピー等による確認を不要とする。特に一人親方のように個人事業主として下請け企業と請負契約を結んでいるため雇用保険に加入していない作業員については、下請け企業と一人親方の関係を正しく記載した再下請負通知書の提出を求め、適切な施工体制台帳・施工体系図を作成する。

 作業員の適切な保険加入を確認できない場合でも例外的に現場入場を認める「特段の理由」を具体的に明記する。さらに、実態が雇用労働者である個人事業主との早期の雇用契約締結・適切な社会保険加入を、あらためて明確に規定する方針だ。

 ガイドラインは意見照会を経て今夏中に改定し、10月1日から適用する

 土地・建設産業局の青木由行局長は、社会保険の未加入対策を進めた結果、法律で義務化するまでに至ったことを振り返り「本当にあと少しというところまで来た。当時から今も現場はさまざまな事情を抱えているが、皆さんと一緒に意識を合わせて取り組んだ成果だと思っている」と説明。さらなる協力を要請した。

 なお、当日の協議会では本年度の重点課題などを確認した。


【写真=今後の対策について関係機関が意見を交わした】

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