行田県土整備事務所は、耐震性に課題がある管内道路橋の耐震補強を加速させる。4カ年事業で進めている武蔵大橋耐震化の完了に向け、仕上げとなる「橋りょう修繕工事(武蔵大橋耐震補強工)」の一般競争入札を8月下旬にも公告する見通しだ。武蔵大橋の施工完了を見据え、20年度は新たに2橋(行田大橋、羽生跨線橋)の耐震補強設計にも着手する方向で調整している。
武蔵大橋は埼玉・群馬両県境の利根川に架かる橋梁(橋長687・2m、幅員7・8m)で、県道足利邑楽行田線の一部に当たる。橋梁上部は単純合成鈑桁、下部は逆T式橋台2基と小判型壁式橋脚1基、堰柱13基で構成している。
20年度は橋の中間に位置する6~9号堰柱部を対象に、落橋防止装置16基や変位制御装置24基などの設置を予定。工期は21年3月末まで。設計は中央コンサルタンツ北関東事務所(さいたま市、048-872-2541)が担当している。
1968年架設の武蔵大橋は、水資源機構が管理する利根大堰の道路部分。両県間の物流・交通を支える基幹道路の一つであるため、両県は事業費約5億円を半分ずつ負担し、工事発注を埼玉県が担う形で耐震補強を進めてきた。2017年度から順次着工し、20年度が計画最終年度となる。道路部以外の改修は同機構が担当している。
今後は国道と県道の2橋で、新たな耐震補強に乗り出す方針だ。
設計業務の入札を国道125号行田バイパス(BP)の行田大橋(橋長295・2m)で8月下旬、県道羽生栗橋線の羽生跨線橋(同300m)では9月にそれぞれ公告する見通し。
行田大橋は秩父鉄道、羽生跨線橋は東武鉄道の線路とそれぞれ重なっている。各鉄道事業者らとも調整し、具体的な整備スケジュールなどを今後固めていく。