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栃木県県土整備部

県土整備部、荒川の災害復旧助成事業、落合橋 年内着工目指す、3径間橋長101mを想定、

2020/07/08 日本工業経済新聞(栃木版)

 県県土整備部は、昨年10月の東日本台風で被災した1級河川荒川・塩谷の災害復旧助成事業で市道橋の落合橋(那須烏山市向田)を架け替える。烏山土木事務所によると、新橋梁は予備設計を踏まえ橋長101・3m、全幅6・2mの3径間連続非合成鋼鈑桁橋を想定。現橋梁の上流側に架設する計画とし、詳細設計業務を富貴沢建設コンサルタンツ(宇都宮市)に委託。年内の下部工着工を目指している。事業では樋管も改築する。

 落合橋は主要地方道宇都宮向田線荒川橋の上流に位置する橋長100m程度の4径間橋梁。向田地区と落合地区を結ぶ生活道路として利用されており、幅員は約4m。災害復旧助成事業の区間にあり、周囲では堤防の嵩上げなどを予定。新たな河川断面計画に合わせた高さと橋長を確保する必要があるため架け替える。

 新橋梁は有効幅員5mの直線橋とし、河川に対してほぼ直角に架設。下部工は逆T式橋台2基、小判型壁式橋脚2基。いずれも直接基礎とする計画。

 荒川の災害復旧助成事業区間は向田地区の下流区間(1500m)と藤田地区などの上流区間(4400m)を合わせた5900m。東日本台風では破堤し、床上浸水52戸、床下浸水10戸の家屋被害、農地56haが冠水する甚大な被害が発生した。事業期間は2019~22年度を予定。総事業費は約60億円。

 県は堤防嵩上げ影響範囲の用地調査を進めるとともに、用地取得の必要がない護岸部などの工事を先行して実施。用地買収が必要な個所については取得が完了次第順次、築堤工事を進めていく。藤田地区や小倉地区、南大和久地区で先行する工事は5月末に発注。渇水期となる秋以降に工事を本格化させる方針。

 事業では落合橋の架け替えのほか樋管を改築。樋管詳細設計業務は6月26日に開札が行われ、落合地区をピーシーレールウェイコンサルタント、南大和久地区を新日本建設コンサルタンツ、小倉地区をダイミック、藤田地区などを富貴沢建設コンサルタンツ(いずれも宇都宮市)が落札した。6~7基の改築が想定される。

 助成事業区間では堤防強化緊急対策プロジェクトによる腹付けも併せて実施し、より強固な堤防を築造する。事務所では、区間以外の三箇や高瀬地区などでも堤防強化プロジェクトを進める。

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