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新潟県新潟市水道局

民間3者と災害支援協定締結

2020/08/26 新潟建設新聞

 新潟市水道局は21日、水島鉄工、水ingグループ、フジテコムの民間事業者3者と災害時の支援協定を締結した。災害時に水島鉄工では水管橋、埋設管など管路施設の復旧、水ingグループは浄配水場施設の復旧や薬品調達、フジテコムは管路漏水調査、資機材を提供するなど、各社が持つ特徴や強みを生かした支援を行う。

 水島鉄工では水管橋・埋設管等の鋼構造製品の被災状況調査および対策の検討、応急対応をはじめ、応急対応工事で必要とされる部材・部品の調達、応急対応後の復旧工事などを支援する。市内では万代橋に添架される水道管をはじめ浄水場の埋設管などで同社の製品が使用されており、これまで災害時等には自主的に点検、対応を行っていたが、より円滑に支援が行えるよう協定締結を提案した。同社としては初めての災害協定となる。

 南秀樹社長は「製品が被災した際に製作者自身が復旧に関わることは、インフラ関連事業者としては責務。今回の協定は当社を育てていただいたお礼の意味もある」と説明した。

 水ingグループでは、水ingが水処理薬品の調達供給等、水ingAMは水道施設内の老朽調査、設備機器の点検、各種計測作業、水ingエンジニアリングが現場の確認記録、応急止水、給水車への注水、車両誘導を担当。同グループでは市内6カ所の浄水場の運転監視を担当しているほか、全国で同様の協定を結んでおり、近年の自然災害でも対応、支援の実績がある。

 リモートでの協定となった水ing首都圏支店の岩瀬徹支店長は「災害対応の知見は積んでいる。初心に返り3社一体となって対応に当たりたい」とし、水ingAM新潟営業所の田辺正人所長は「当社は全国300カ所の水処理の監理で実績があり3000人の技術者がいることが強み。災害時には技術力、対応力を発揮し、対応に努める」と語る。水ingエンジニアリング新潟営業所の赤根年樹所長は「日々の業務の中で教育、訓練を取り入れ、過去の経験をグループ会社で共有し習熟度を高め、万が一に備える」と述べた。

 漏水探知器、測定器の納入およびメンテナンスを行うフジテコムでは、漏水時の支援資機材提供および調査業務、冬季凍結災害時に資機材提供を行う。

 森下慎一社長は「災害時には協定および管路漏水対策で培った技術で世界中の豊かな生活と幸福を守る企業理念のもと、水道施設の復旧に全力を尽くす」と決意を述べた。

 新潟市水道局の災害協定は27例目で、民間事業者とは15例目。平時にも対応窓口や担当連絡先など情報交換を図り災害時に万全を期す。

 佐藤隆司水道事業管理者は、「自然災害への対応を強化するため対策に努めているが、災害時の業務継続や迅速な復旧には民間の力が必要不可欠。体制が強化できたことは心強い」と感謝した。

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